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コラム


時の焦点<国内> 竹島の日
韓国への働きかけ続けよ 首脳同士が頻繁に往来し、防衛分野での協力も緒に就くなど、日韓関係は改善基調にある。その一方で領土問題が前進する気配は見えない。重要な隣国であるからこそ、政府は竹島が日本固有の領土であることを、粘り強く韓国に伝えていく必要がある。 2月22日、島根県などが主催する「竹島の日」の記念式典が松江市で開かれた。内閣府の古川直季政務官が出席し、竹島問題の解決を目指す政府の方針を改めて示した。 式典は島根県が1905年に県が竹島を編入した日にちなんで開催されてきた。今回で21回を数える。竹島が、国際法上も歴史的にも日本固有の領土であることは論を待たない。韓国は日本が竹島を編入する際、異議を唱えなかった。戦後のサンフランシスコ平和条約でも、日本が放棄すべき地域から除かれている。 だが、条約の発効直前、韓国は「李承晩ライン」を一方的に設定し、竹島の不法占拠を開始した。竹島が領土であるとの韓国の主張には、正当性はない。 日本は江戸時代初期には竹島の領有権を確立していた。証拠となる資料も数多い。2年前には、鳥取県米子市の複数の商家が幕府の許可


前事不忘 後事之師 第122回 バルト三国訪問記(1)
―バルト三国の冬は厳しい― 1月に防衛企業の方々とバルト三国を訪問し、国防省や北大西洋条約機構(NATO)の研究センター、政府のサイバー防衛部局、スタートアップ防衛企業などを訪問してきました。


朝雲寸言(2026年2月26日付)
ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したのは2022年2月24日早朝のことである。戦争は5年目に突入した。侵攻開始当時、戦争がこれほど長期にわたることを予測した専門家は小欄も含め少なかった。ロシアとウクライナの戦力差が歴然であったからである。 戦争の長期化は国力を衰退させる。それが大国の場合、世界に与える影響は甚大である。米国の場合、ベトナム戦争は8年に及んだ。長引く戦争は結果的に米国の絶対的な経済・軍事的優位を低下させ米国衰退の始まりをもたらした転換点となった。 ソ連の場合、1978年のアフガニスタンへの軍事侵攻は11年に及んだ。この戦争がなくともソ連は崩壊したかもしれない。しかし戦争がソ連崩壊を加速させたことは間違いない。 ウクライナ戦争の場合、ロシアにはソ連時代からの装備品・弾薬の大量の備蓄があった。だが、4年が経過しロシアの兵器備蓄は物理的限界に近付いている。何より増え続ける人的損耗はロシアを着実に苦しめているように見える。 そしてウクライナ戦争は我が国の安全保障に多大な影響を及ぼした。ドローン兵器、サイバー、宇宙、電磁波領域などの新しい脅


時の焦点<海外> 苦境のキューバ
「同盟国」はどこへ? 支援が必要なこの時に同盟諸国はどこへ行ったのか? 現在、キューバ政府の胸中はこんな感じだろう。同国に石油を供給しようとする国には関税を発動する(1月29日・トランプ米大統領が大統領令に署名)という圧力など、トランプ政権の対キューバ政策が狙い通りに効いてきたのだ。 同国の石油不足は深刻で、インフラの崩壊も進む。学校の授業も病院の手術もキャンセル。ホテルも閉鎖され、国際ビジネスや大使館は人々に早期出国か電気と水のない生活が長期間続く事態に備えるよう警告している。 しかし、出国についてはそう容易ではないのが現状のようだ。政府は飛行家に対して、国内9カ所の飛行場で航空機の燃料補給はできない旨を公式に通告。その結果、主要航空会社のフライト削減やキャンセルに発展し、旅行客が取り残されるなどの混乱が起きている。 例えば、カナダの航空最大手エア・カナダは2月9日からキューバ便の運航を停止する一方、キューバで立ち往生のカナダ人約3000人の出国のために“カラの便”を飛ばす。また、スペイン第3の航空会社エア・ヨーロッパは、マドリード―ハバナ便の


時の焦点<国内> ミュンヘン会議
米欧の溝埋める役割を果たせ 自国第一を掲げるトランプ米政権と欧州との距離が広がり、ウクライナを巡る和平交渉の行方も不透明な状況だ。日本は米欧との関係を強化し、双方の溝を埋める努力を続けねばならない。多国間の協力体制の構築にも努める必要がある。 ドイツで、世界各国の首脳や外相、国防相らが参加する「ミュンヘン安全保障会議」が開かれた。主要なテーマとなったのは、ロシアのウクライナ侵略である。 ウクライナと米国、ロシアは現在、和平交渉を行っている。安保会議に出席したゼレンスキー大統領は「米国は譲歩をロシアではなく、ウクライナの文脈で語ることが多すぎる」と述べ、和平交渉で譲歩を促す米国へのいらだちを示した。 米国はウクライナに対し、東部ドンバス地方を非武装化するよう求めている。ドンバス地方を「自由経済圏」とする構想も浮上しているが、ウクライナとロシアのどちらの法制度に基づく経済圏なのかは、定かではない。このためウクライナは、領土や主権が脅かされるのではないか、と警戒している。 侵略した側のロシアに「戦果」を与えるようなことがあってはならない。国際社会全体で
防研セミナー 時代を読み解く シリーズ<50> 韓国のWPS政策
今月の講師 小池修氏 防衛研究所 政策研究部 防衛政策研究室 研究員 京都生まれ横浜育ち。東京大学教養学部卒業後、同大学院総合文化研究科地域文化研究専攻修士課程修了、博士後期課程単位取得満期退学。専門分野は韓国の外交・安全保障政策。韓国国防大学校(KNDU)との日韓教官交流や安全保障戦略課程(旧・一般課程)の東アジアの安全保障講座などを担当。 日本に先立つ韓国の取り組み 2000年に女性・平和・安全保障(WPS)に関する国連安全保障理事会決議第1325号(決議1325)が採択されて以来、韓国では14年の第1期に始まり、24年の第4期まで4回にわたって国家行動計画が策定されてきた。 これは15年に第1次政府行動計画を策定した日本に先立つものである。 韓国のWPS政策推進の司令塔は性平等家族部(旧・女性家族部)であり、国家行動計画には国防部のほか外交部、統一部、法務部、行政安全部など11個の部処(省庁)と機関が参加している。 「性暴力の視点」と「4期行動計画」 決議1325に至る動因のうち、大きな一つは1990年代に内戦下の戦時性暴力が世界的な注目を


時の焦点<海外> 力による秩序
ルールなき核の時代 「強者はしたいことをして、弱者はそれを耐え忍ぶ」。1月20日、スイスのダボス会議で演説したカナダのカーニー首相は、古代ギリシャの歴史家トゥキディデスの言葉を紹介した上で、大国同士の競争でルールに基づく秩序が衰え、世界がトゥキディデスの時代に逆戻りしてしまうことに強い懸念を示した。 カーニー首相は2013年から約7年、外国人で初めてイングランド銀行総裁を務めたほどの頭脳と知性を備えた人物である。その品格によって抑制されたトーンではあったものの、演説はトランプ米大統領の「力による秩序」に対する、主要同盟国首脳からの事実上の拒否宣言だった。 トランプ大統領は年明け、米紙のインタビューで「私に国際法は必要ない」「私を止められるのは私のモラルだけだ」と語っている。耳を疑う、とはこのことだろう。早い話が、トランプ大統領のやっていることは、世界中を相手にした国家的パワハラに等しい。 世間でいうパワハラの要件とは(1)優越的な関係を背景に(2)社会通念上必要な範囲を超えて(3)労働者の就業環境を害すること、の3つだ。(1)は外交上の力関係、(


朝雲寸言(2026年2月19日付)
「そうそう、墓じまいのことなんやけど……」。神戸市内の喫茶店で70代後半とお見受けした女性2人が話していた。墓じまいとは墓を撤去し、遺骨を永代供養付のお墓のマンションに移したり、散骨に付したりするというもの。終活の一環で、簡便、身軽が重視されている。 一般社団法人「日本石材産業協会」(会員758社)が2023年に実施した調査結果を見る。墓じまいの工事件数は、回答した188社の89・9%が5年前に比べて「増えた」と答えた。主な理由は「次代に迷惑をかけたくないから」。 物騒な言い回しながら、「人は二度死ぬ」と説いたのは放送作家・永六輔(故人)だった。(1)肉体の死(2)人々の記憶から消える死。これに(3)記録がなくなる死を加えてもいいかもしれない。墓じまいには、次代に迷惑をかけずに(2)と(3)の事態を避けたい気持ちが透けて見える。 カナダの詩人・作家アン・マイクルズの最近の長編小説『抱擁』は、こう始まる。「命に限りがあることは知っている。それなら、なぜ死のほうは永遠につづくと信じるのか」(26年1月、早川書房刊、黒原敏行訳)。多くの胸中に刺さる見事


時の焦点<国内> 高市政権再始動
大勝で「1強多弱」へ 衆院選は自民党が衆院の3分の2を超す316議席を獲得した。単独政党として戦後最多の獲得議席数となる歴史的大勝利である。日本維新の会と合わせた与党では計352議席となった。一方の野党は、数十人単位の少数政党が並んだ。日本政治は、経験したことのない「1強多弱」の時代を迎えた。 高市早苗首相は、投開票から一夜明けた2月9日の記者会見で、「政策転換を何としてもやり抜いていけ、と背中を押していただいた」と述べた。衆院の解散がなければ、2028年の参院選まで国政選挙がない。 今回の衆院選で強固な基盤を整えた首相は国家情報局の創設や、旧姓の通称使用を拡大するための法制化など、国論を二分するような政策にも着手すると見られる。ただ、野党が大きく退潮する中、仮に政権が判断を誤れば、取り返しの付かない事態を招きかねない。首相や自民党は、自律的な政権運営を心がける必要がある。 昨年の参院選以降、衆参両院では少数与党の状態が続いていた。与党は予算成立への協力を得るためとして、野党の要求を受け入れてきた。 与党は今回、衆院で「3分の2」以上の議席を確保


時の焦点<海外> 欧州が求愛
中国を当てにできるか トランプ米政権は欧州の自己防衛努力、貿易、関税問題などでは甘言を弄(ろう)しない。その率直さにすっかり気力を失った欧州とカナダは、これにどう対応したか。数カ国の首脳が次々と“北京詣で”である。 中国は覇権国として米国に取って代わりつつあるのか。カナダや英国が中国にすり寄り、他の欧州諸国が引き続き取り入っていく様子は興味深い。 「ニューヨーク・タイムズ」の記事(1月31日)はコンパクトで上手い。 「事前の予測はこうだった。これら諸国は結局、対米防護策を取るために中国との関係緊密化を求める。彼らはその際は中国の利益に一層好意的だろう」 「予測は当たった。欧州とカナダの指導者は世界第2位の経済大国との関係を深めようと、列をなして中国に着いた。中国政府が人権問題、スパイ行為、他国の選挙への干渉、貿易不均衡など、かつて双方の関係を裂いていた問題のほとんどを認めなかったのに」 「今やすべての道は中国に通ず」というのが、1月30日の米CNBCテレビのトーン。 「1月だけでも、スターマー英、カーニー・カナダ両首相ら少なくとも5人の国家指導者


朝雲寸言(2026年2月12日付)
立春は過ぎたものの朝晩はまだ寒い。天気予報は各地の春の訪れを告げているが北海道・東北・北陸では連日雪が降り続いている。北国に生きる人々にとって立春はあくまで暦の上のことでしかない。 記録的な大雪に見舞われた青森県は独り暮らしの高齢者世帯の屋根の雪下ろしのため自衛隊に災害派遣を要請した。少子高齢化が加速する地方では屋根の雪下ろしもままならない。無理な除雪作業中の死亡事故も発生している。 2024年1月1日の午後、震度7の地震が能登半島を襲った。地形が大きく変わるほどの地震災害によって道路は寸断され山間の集落が孤立する事態となった。自衛隊は燃料、医薬品、生活必需品などを背負い、寸断した山道を徒歩で克服して孤立集落を支援した。 24年1月末、名神高速道路の関ケ原付近において1200台もの車両が立ち往生する事態が発生した時も自衛隊は救助のために派遣された。一夜にしてすべてを覆いつくす雪と氷点下の気温は一切の交通手段を拒絶する自然の脅威である。そんな極限の環境において最も確実でそして最後の手段は人間の歩みである。 自衛隊は雪に強い。国土を侵す敵と戦う前に冬


時の焦点<国内> 衆院選自民圧勝
1強を生かし難局に挑め 第51回衆院選で、自民党が圧勝した。獲得した316議席は、戦後の政党が単独で確保した議席数としては最大だ。日本の政治史に刻まれる地滑り的な勝利と言える。 来年は統一地方選が行われるが、2028年の参院選までは、衆院を解散しない限り、大型の国政選挙は行われない。他方、少子高齢化への対応や、平和と秩序を取り戻すための外交、安全保障環境の悪化を踏まえた防衛力の強化など、課題は山積している。 「1強」ともいえる体制を整えた高市早苗首相は、中長期的な視点に立ち、腰を据えて難題に取り組む必要がある。首相は選挙戦を通じ、「国論を二分する政策を進めたい」と述べ、保守的な政策の実現に意欲を示してきた。 具体的には、インテリジェンス(情報収集、分析)機能の強化に向けた国家情報局の創設や、スパイ防止法の整備、旧姓使用の法制化などが念頭にあるようだ。 国家情報局の構想は、現在の内閣情報調査室を、警察庁や外務省、防衛省などによる省庁横断の組織に改編するものだ。日本でも、外国勢力がSNSなどを使って偽情報を流布する事態が起きている。こうした偽情報対策


前事不忘 後事之師 第121回 英米覇権交替劇
20世紀前半の世界史的事件と言ったら、何を挙げるでしょうか。常識的な答えなら、第1次世界大戦、ロシア革命、第2次世界大戦、中国革命といったところでしょう。 中西輝政京都大学名誉教授は「アジアをめぐる大国興亡史」において、20世紀初頭に起きたイギリスからアメリカへの覇権交替という事象こそ上記の出来事の背後に存在した重大事案であり、これを看過すると20世紀世界史の全体像は把握できないと主張します。


朝雲寸言(2026年2月5日付)
生成AI(人工知能)の活用が叫ばれている。総務省「情報通信白書」(2024年度)によると、個人の生成AI利用率は日本の場合、26・7%という。 企画書作成や企業会計といったビジネス界だけでなく、家庭や医療の現場でも普及しつつある。国会答弁に活用できないか、という議論も散見される。AI搭載ロボットの導入も始まっている。人間の仕事を奪う猛攻ぶりだ。 確かに便利この上ない。代表的なAI「チャットGPT」の無料版でさえ、長文を一瞬で短文にまとめあげる。未知の言葉の意味を尋ねれば、概意をつかませてくれる。 しかし、元となるインターネット上のデータにフェイク情報が混在していても「正確に」取り込んでしまうのだ。元は既存データだから、突き抜けた個性的な成果物は得られない。 先日、機械メーカー倉庫の数十メートル級シャッターの解体作業を見た。散乱する無数の細かな機器や電気配線、防犯用回線。あたかも臓器や血管のように横たわり、手術現場のように感じられた。これらの再構築をヒューマノイドロボットが手掛けられるのか。 我々の社会は正確さだけでは立ち行かない。人間の手技は、状


時の焦点<国内> 名護市長3選
基地移設を着実に進めよ 沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を推進する自民党などの支援を受けた現職の渡具知(とぐち)武豊氏が3選を果たした。移設反対を掲げた次点の前市議に、2倍近い差をつけた。 渡具知氏は移設受け入れの是非には言及せず、保育料や給食費、子どもの医療費の無償化などの実績を強調した。いずれも国からの米軍再編交付金を財源に、実現してきた。渡具知氏の圧勝は、移設問題で国との対立を再燃させるより、身近な地域課題の解決を優先するべきだと市民が判断した結果ではないか。 移設作業は新たな段階に入っている。防衛省は、約152ヘクタールに上る埋め立て海域全体のうち、4分の1にあたる南側をほぼ埋め立てた。辺野古東側の軟弱地盤の改良工事を巡る国と県との法廷闘争はこれまでにすべて決着し、昨年末からは土砂の投入が始まった。 ただ、2024年から始まった地盤の改良工事は、気象や海洋の影響で思うように進まない。計画では約7万1000本のくいを打ち込む予定だが、進捗(しんちょく)率は4%程度にとどまる。30年代初めと見られていた埋
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