朝雲寸言(2025年10月30日付)
- 2025年10月30日
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更新日:6月8日

10月24日は「国連の日」である。1945年のこの日に国際連合憲章が発効して国際連合が正式に発足したことに因(ちな)んでいる。
創設から80年。しかし今、国連は冬の時代を迎えている。その要因の第1は安全保障理事会の機能不全であろう。創設当時から指摘されてきた構造的欠陥がロシアのウクライナ侵攻や中東のパレスチナ問題で改めて浮き彫りとなった。
常任理事国が拒否権を発動すれば安保理は何も決められず国連は動けない。ソ連崩壊後の湾岸危機などで国連が主導的に国際紛争を解決してきた頃とは雲泥の差である。
国連低迷の要因の第2は行き過ぎたリベラリズムである。リベラリズムが標榜(ひょうぼう)する自由や公平性、個人の尊厳や多元性が過激なナショナリズムや自国優先の政策を助長し国家の対立を深めているというのだ。
そもそも国際連合は国際協調による平和というリベラリズムの理想を体現する組織である。しかし実態は国際社会の現実と理想との間で常に揺れ動いているのである。
「私たちが直面する世界の荒廃はリベラルの失敗ではなくその成功の証しなのだ」という趣旨の書籍が注目を集めている。
不思議なことにほとんどの日本人は無条件に国連を礼賛する傾向にある。国連は日本語で「国際連合」と訳されているが中国語では「聯合国」と表記される。すなわち国連は先の大戦で日本とドイツと戦った連合国と同じものなのである。
(2025年10月30日付『朝雲』より)







