朝雲寸言(2026年6月25日付)
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「自衛隊に行く子は経済的に厳しい」。本国会における参議院決算委員会での野党議員の発言である。発言はすぐさま訂正され、大臣の指摘を受けて陳謝し撤回された。
しかし陳謝して撤回しようが議事録から削除されようが、その発言は人々の記憶に残る。SNSは瞬く間に拡散し、いわゆる炎上した。そのコメントの多くが自衛隊員に対する侮蔑または差別の発言ではないかというものであった。
小欄は自衛隊に入隊する若者が経済的に厳しい環境にあるのかどうか、具体的な統計資料を見たことがない。なぜなら自衛隊の受験要件に本人またはその家庭の経済状態は一切考慮されないからである。付け加えるならば、それは自衛隊に限らず全ての公務員の採用に共通することである。
確かに自衛隊への入隊動機に経済的な事情を挙げる人がいることは事実である。しかし志望動機が採用や入隊後の勤務に影響を及ぼすことはない。
自衛隊は創隊以来、幾度となく困難に直面してきた。はっきり言おう。それを乗り越えてきたのは外ならぬ自衛隊員自身の人知れぬ努力と献身に他ならない。
長沼判決で憲法違反と断じられようと、阪神淡路大震災で出動が遅いと批判されようと、冷戦崩壊後に国際平和協力業務の開始で海外派兵とデモで叫ばれようと、自衛隊員諸官は粛々と任務を遂行してきた。
そろそろその献身に政治が応える時が来ているように思えてならない。
(2026年6月25日付『朝雲』より)







