朝雲寸言(2026年6月11日付)
- 6月10日
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6月の声を聞いて暑い長い夏がまた来るのだといささか憂鬱(ゆううつ)になるこの頃である。5月末から各地で30度を超える真夏日が続いた。これは異常気象ではない。この10年ほどで定着した長く暑い夏の始まりである。
暑い夏に辟易(へきえき)しているのは我が国ばかりではない。世界各地で熱波と豪雨のため災害が多発している。スペインでは連日40度を超える日が続いて暑さと乾燥に起因する大規模な山林火災が起きている。英国・仏国でも5月の最高気温を更新したという。
有史以来、地球は何度も氷河期に見舞われてきた。現在は約1万年前に終わった氷河期の間氷期にあたるのだという。地球温暖化は人類共通の課題なのか。さにあらず密(ひそ)かに歓迎していると思われる国がある。それがロシアである。
地球温暖化が進むとシベリアの永久凍土が耕作可能な土地となり、氷に閉ざされた北極海に通年航行可能な航路が開通されることになる。中国が極寒のアイスランドに立派な大使館を建てたのは北極を経由する通商航路の開設を見越してのことだと言われている。
46億年に及ぶ地球の時の流れに比べてイラク・中東・ウクライナ・ベネズエラ・イランと相次いで戦争が起こった直近20年の人類の争いの何と矮小(わいしょう)で傲慢なことか。
そう思いながら我が身を振り返ればガソリンや食料品の高騰で嘆息する小市民の自分がいる。天気は下り坂、明日は雨か。
(2026年6月11日付『朝雲』より)







