朝雲寸言(2025年10月16日付)
- 2025年10月16日
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更新日:6月8日

祖代々続く商売を守り継いだ伝統的かつ格式の高い店のことを老舗という。
創業百年以上の長寿企業の世界ランキングを見ると約半数が日本の企業であり、その4分の1以上が製造業であった。興味深いのはこれらの長寿企業のほとんどが先のコロナ禍で全く影響を受けなかったことである。
とある経済人の会合に参加した時、経営者の最大の悩みの一つは後継者問題であることを知った。やはり企業や組織を存続させ発展させていくのは人材であるのだと納得した。
さて本題は防衛省・自衛隊である。この夏、防衛省は当分の間、観閲・観艦式を中止すると発表した。我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する現在、隙のない我が国の防衛態勢を維持する上で観閲式等を実施することは困難な状況に至ったとしている。
観閲・観艦式は自衛隊の最高指揮官である総理大臣を観閲官として行われる各自衛隊最大のイベントである。それ故にさまざまな準備に充当する人材も最新装備も全国から集まってくる。中止の判断に至るまでの関係者の苦悩と英断を高く評価したい。
伝統は変化を嫌う。しかし頑(かたく)なに変化を拒否すれば伝統が支えている主体そのものを失う可能性がある。組織が長く続くほど組織の本質や原点を問い続ける姿勢が必要なのだろう。
観艦式は中止となったが自衛隊音楽まつりは今年も開催されるという。変わらぬものもまた良しである。
(2025年10月16日付『朝雲』より)







