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朝雲寸言(2025年9月11日付)

2025年9月11日
読了時間: 2分

更新日:6月8日


一定以上の年齢の米国人であれば、その時自分がどこにいて何をしていたかを覚えている出来事があるという。2001年9月11日早朝に起きた米国同時多発テロである。


それまで本土に武力攻撃されたことがなかった米国にとって9・11は想像を絶する衝撃の出来事だったのだ。あれから四半世紀近くが経過した。明確な根拠はないが現在の米国の混乱や衰退は9・11から始まったのだという見方がある。


20年以上にわたり米国が対テロ戦争に費やした経費や人材は膨大なものに上る。その努力に見合う成果があったかと問われると疑問が残る。


米国が世界中のテロ組織と戦っている間に超大国として本来向き合うべき脅威に対する姿勢がやや緩慢ではなかったという指摘はロシアのウクライナ侵攻や混乱の極みにある中東情勢を見る限り納得できる。


9・11によって日米の安全保障環境も大きく変化した。米国のアフガニスタンへの侵攻に際し我が国は対テロ特措法によって海自がインド洋で多国籍の艦船を支援し、イラク戦争ではイラク特措法によって陸・空自をイラクに派遣した。その延長線上に平和安全法制の成立があるともいえる。


テロは時代と共に変化し定義もあいまいである。しかし国際テロ組織が今も存在していることは厳然たる事実である。テロは抑止することが難しい。だからこそ平素から備えなければならないのである。


(2025年9月11日付『朝雲』より)

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