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朝雲寸言(2025年9月18日付)

  • 2025年9月18日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月8日


7月の参院選で女性の当選者は42人と過去最多だった。その多寡などの評価はさておき、日本の女性参政権は1945(昭和20)年12月の衆議院議員選挙法改正で初めて認められた。


この改正案に帝国議会で一人反対の論陣を張った衆院議員がいた。沖縄県出身の漢那(かんな)憲和(けんわ)(1877~1950年)である。法案には米軍統治下にあった同県民らの選挙権を停止する付則があり、それに抗議してのことだった。


戦争末期の沖縄戦では県民の4人に1人が犠牲になった。漢那はその惨状に触れ、「議会における県民の代表を失うことは、言語に絶する痛恨事であります」と切々と訴えている。


翌年の総選挙を経て新憲法を審議した国会には、沖縄県代表の姿はない。国民主権、憲法9条、女性参政権と、輝かしい民主化のスタートの陰にあったもう一つの現実である。


漢那は元海軍少将で、昭和天皇が皇太子時代に訪欧した際のお召し艦「香取」の艦長を務めた。国政に転じてからは軍部の独走を批判し、陸海軍大臣文官制を提唱。退役将官会から除名処分を受けている。戦後は沖縄の復帰運動に奔走した。


本土復帰して半世紀を過ぎたが、県内にはいまだに在日米軍施設の7割が集中し、米軍機の事故や米兵による性加害も後を絶たない。米軍優位の日米地位協定の改定が持論だった石破首相も、何らなすことなく退陣する。この国に主権はないのか! 漢那の歯ぎしりが聞こえるようだ。


(2025年9月18日付『朝雲』より)

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