時の焦点<国内> 高市改造内閣

維新は責任自覚せよ
内外の課題は山積している。第2次高市改造内閣と与党は連携を密にし、「強い経済」の実現と積極的な外交・安全保障政策の推進に全力を挙げてもらいたい。
高市早苗首相が自民党役員人事と内閣改造を行い、第2次高市改造内閣が発足した。内閣の要となる木原稔官房長官、茂木敏充外相、片山さつき財務相、小泉進次郎防衛相らを続投させた。党役員は麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、小林鷹之政調会長らを再任した。
首相は党の会合で「公約の実現に向けて総力を挙げた執行体制とする」と述べた。政権の骨格となる顔ぶれを維持し、安定を重視したのは妥当と言える。
これまで閣外協力だった日本維新の会からは中司宏・前幹事長を規制改革相に起用した。閣僚を出したからには維新は与党としての連帯責任を自覚し、党の主張を強引に進める姿勢を改めるべきだ。
先の特別国会では、維新の要求で衆院議員定数の削減法案を与党が提出し、野党の反発を招いて国会が空転した。民主主義の根幹である選挙制度について合意形成を軽視する行動は看過できない。
自民内でも定数削減に慎重論がある中、特別国会での法案成立を図る方針も、国会正常化のために成立を断念する判断も、首相と維新の吉村代表との党首会談で決まった。自民執行部の存在感が薄かった感は否めない。首相は、鈴木氏らと意思疎通を深め、執行部の意見にもっと耳を傾ける必要があろう。
改造内閣にとって防衛力強化は喫緊の課題だ。十分な予算を確保し、抑止力を高めていくことが内閣の責務である。内政では、増え続ける医療費をどう抑制するかなど社会保障制度の改革に取り組んでほしい。
自民、維新の与党は現在、衆院では4分の3以上の議席を占めているが、参院では過半数に届かない。10月召集予定の臨時国会では、野党が反対する消費税減税の関連法案を巡って参院の審議が重要となる。
参院自民の役員人事では、国会運営を仕切ってきた石井準一参院幹事長が交代した。党則上、人事は参院議員総会で決まるが、石井氏は予算審議などで野党に譲歩しすぎた、という不満を持つ首相の意向が反映されたとの見方が出ている。
参院幹事長が交代しても、与党が参院で少数である状況は変わらない。野党の意向も尊重し、丁寧に国会審議を進めていくことが欠かせまい。
他方、10月には改正皇室典範が施行され、皇族が、旧宮家の男系男子を養子にできるようになる。養子に生まれた男子は皇位継承資格を持つが、この養子制度は、国民の総意が得られたとは言い難い。
将来の女性・女系天皇の導入も含め、政府と各党は典範の再改正に向けた検討を始めてはどうか。
夏川明雄(政治評論家)






