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時の焦点<国内> 海底ケーブル

9月2日
読了時間: 3分

国が関与し防護強化を


安全保障上の重要インフラであるにもかかわらず、十分な防護策は講じられてこなかった。


海底ケーブルの重要性を考えれば、国の主導で監視体制を強化し、ネットワーク網を守っていく必要がある。


総務省の有識者検討会が、日本と海外の情報通信を担う国際海底ケーブルの防護策を報告した。


海底ケーブルは、銅パイプなどで保護された光ファイバーが信号を電送する。陸上に到達した後、陸揚げ局と呼ばれる施設で国内の通信網に接続される。


検討会は、海底ケーブルを狙った攻撃に対し、国際的な関心が高まっていることを受けて設置された。政府による防護策の本格的な議論は初めてとなる。


バルト海や台湾周辺では近年、ロシアや中国の関与が疑われる切断事案が相次いでいる。


2023年には台湾本島と離島を結ぶ海底ケーブルが切断され、電話やネットが遮断された島では混乱が生じた。


台湾は昨年末、故意の損壊行為に対する罰則を強化した。


海に囲まれた日本は、国際通信の99%を海底ケーブルに頼っている。


仮に障害が発生すれば、インターネットの不通で国民生活が混乱するだけでなく、防衛に必要な指揮統制の能力が低下しかねない。


日本ではこれまで大きなトラブルは確認されていないが、早急に対策を講じなければならない。


懸念されるのは、安全保障上の懸念があるにもかかわらず、海底ケーブルも陸揚げ局も、NTTやKDDIなど民間の通信事業者が管理しているということだ。


ケーブルへの損壊行為を事前に検知し、政府が異常を即時に把握する仕組みもないという。


欧米の一部の国は、揺れを検知するセンサーをケーブルに装着して被害を防止している。


こうした高度な防護策を導入するため、政府が実証実験を行い、事業者に実用性を理解してもらう方法もあるだろう。


報告書は、民間が行う防護策の高度化支援や、政府を含めた連絡体制の構築を提言し、「官民が連携して取り組むことが適当だ」と指摘した。


海底ケーブルはメーカーが敷設するが、日本のメーカーは敷設船を持っていない。敷設や保守の技術者も不足しているという。


海底ケーブル製造の世界市場は、日本と米国、フランスがほぼ独占してきたが、中国などの新興企業が参入し、競争が激化している。


先の特別国会で成立した改正経済安全保障推進法により、敷設や保守などに対する政府の援助が可能になった。敷設船建造への支援も想定されている。


競争力を維持できなければ、海底ケーブルを継続的に供給することも難しくなる。


官民が協力して海底ケーブルやそのシステムの能力を維持、向上していくことが求められている。


霜月荘六(政治評論家)

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