そうだったのか!中東 池上 彰 著
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本書は複雑に見える中東情勢の歴史的背景と構造を、初心者にもわかりやすく解き明かした解説書である。
なぜ中東で果てしない対立が続くのか。根本にあるのは、第1次世界大戦中にイギリスがアラブ人とユダヤ人の双方に都合のよい約束をした「三枚舌外交」の矛盾である。この身勝手な約束が引き金となってイスラエルが建国され、土地を追われた多くのパレスチナ人が難民となった。
また、かつて親米だったイランがイスラム革命によって反米・反イスラエルへと反転し、各地の武装組織を束ねる「抵抗の枢軸」を作ったことで現在に至る激しい軍事衝突の火種となった。
さらに、アメリカの起こしたイラク戦争が現地に深刻な混乱と権力の空白を生み、過激派組織「イスラム国」の台頭を招いた経緯など、大国による介入の失敗も赤裸々に暴く。
一方で、石油依存からの脱却を目指して近代都市へと突き進むサウジアラビアやカタール、アラブ首長国連邦(UAE)など、変わりゆく最新情勢も丁寧に追う。原油の9割以上を中東に頼る日本にとって、現地の動向は生活や経済の根幹に関わる死活問題だ。
同書は、歴史の糸を一本ずつほどき、中東そして世界の今を読み解く力を授けてくれる。
(集英社刊、2200円)












