人間が失いかけた ゴリラ・イルカの 仲間を信じる力 山極寿一、田島木綿子 著
1 日前
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高い知性を持つゴリラやイルカは、多様なコミュニケーションを駆使し、群れや家族とともに高度な社会を築いている。本書は、こうした生物の専門家による対談を通じて、疲弊した現代人が失いかけている人間本来の関係性や、豊かな社会を再構築するためのヒントを探る。
SNSの普及や人工知能(AI)の発達により、効率的で多様なコミュニケーションが可能になった一方、常に他者と比較され、相互に監視されているような息苦しさを覚える場面も増えた。
その半面、自然界では、ゴリラが互いの顔を見て感情を読み取り、無用な争いを避ける。イルカやシャチは、経験豊富なメスを中心に統率された狩りを行い、ときに凄惨(せいさん)な手段も含めて子どもに伝え、自立へ導く。
霊長類学者の山極氏は、言葉やテクノロジーに依存する現代社会では勝ち負けを競う構造が強まり、動物たちが示すような「身体的コミュニケーション」がおろそかになっていると指摘する。
野生動物の生態や社会の営みから、現代人が忘れつつある関係性のあり方やコミュニティー再生の示唆を描き出す。
(青春出版社刊、1386円)












