技術安全保障を考察 【第9回】 なぜ今、防衛スタートアップなのか
4 時間前
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前回、ゲームチェンジャーが予測できないのであれば、競争力を決めるのは仮説の質だけではなく、仮説の数そのものかもしれないと述べた。ではその仮説は誰が生み出すのだろうか。
防衛省・自衛隊、防衛産業が、まずはそれぞれの組織の中で考えていくことは重要である。
しかし、ゲームチェンジが常態化する時代にそれだけで十分なのだろうか。未来が予測できないのであれば、より多くの組織がより多くの仮説を持ち寄ることが重要になるのではないか。
ここに、近年注目を集める防衛スタートアップに活躍の機会がある。スタートアップという言葉を聞くと、新しい企業や新しい技術を思い浮かべるかもしれない。しかし本質はそこではない。スタートアップの価値は仮説立案とその検証にある。
「もしこの技術を違う用途に使ったらどうなるか」「もし既存の常識が通用しなくなったらどうなるか」、そうした仮説を立て小さく試し、失敗し学習する。その試行錯誤を高速で繰り返せることに大きな価値がある。

その意味で、防衛スタートアップの参入支援とは単なる中小企業支援や技術開発支援ではない。国家全体の仮説探索能力を強化する取り組みなのである。
ただし、スタートアップが得意なのは仮説と実証であり、実際の装備体系への組み込み、数十年にわたる保守・更新まで得意とは限らない。
どれほど優れた仮説であっても、最終的に実装されなければ戦い方は変わらない。仮説を生み出す能力は重要である。しかし、それだけでは不十分なのである。
あなたの組織は、生み出された仮説を試し、評価し、最終的に実装に至る仕組みを持っているだろうか。
山本晃平(国際社会経済研究所・特別研究主幹)







