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朝雲寸言(2026年5月14日付)

5月13日
読了時間: 2分

陸上自衛隊の装備品に84ミリ無反動砲という火砲がある。別名カール・グスタフ、スウェーデンが開発した肩撃ち式の無反動砲である。主として普通科部隊などが対戦車火器として使用するほか、地域目標の制圧、照明および発煙など軽量で操作容易な火砲である。


スウェーデンは1814年のナポレオン戦争終結後、国家の政策として中立を維持してきた。一方でスウェーデンは武器輸出国としても知られている。独自の運用構想に基づくグリペンと呼ばれる戦闘機や対空機関砲・無反動砲や哨戒艇などが有名で多くの国で使用されている。


平和的な中立国家でありながら積極的に武器を輸出するという政策は大いなる矛盾ともいえる。2024年のスウェーデンの1人当たりの武器輸出額は過去最高を記録し世界第3位となった。武器輸出は国際紛争を助長するという主張がある半面、自国の国防費を抑制し地域の抑止力を向上させるという側面がある。


それでもスウェーデンはロシアのウクライナ侵攻を受けてNATOへの加盟を決定した。200年間続いた中立政策の大転換である。中立を維持するのも他国と同盟を結ぶのも国家にとっては相応の覚悟が必要なのである。


今般、我が国は戦後一貫して維持してきた武器輸出の政策を転換し一定の条件の下で武器輸出の制約を解除した。大いなる第一歩と評価したい。もがみ型護衛艦がその輸出第一号である。


(2026年5月14日付『朝雲』より)

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