朝雲寸言(2026年7月30日付)
7月29日
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毎日の散歩コースは少し足を延ばすと運河の先に海につながる人工の砂浜があり休日は多くの人でにぎわう。
宮沢賢治は旧制盛岡中学時代、修学旅行で訪れた石巻の日和山から初めて海を見てその広大な水平線に圧倒された。
賢治の感動は多くの日本人にとって無条件に共感できるものである。陸地に生きる人間種にとって海はいまだに神秘の世界であるのだ。
四面環海、貿易のほとんど全てを海上輸送に依存する我が国は海の恵みによって発展してきた。しかし現在、海を間近に感じながら生きている日本人は少ない。我が国の漁業就業者は労働人口の約0・17%、船員はわずか0・04%に過ぎない。
海運業ではグローバル化が進み、外国人船員が日本の海上輸送を支えている。しかし国の領海を守りシーレーンを確保する海上自衛隊や海上保安庁の人材に外国人を期待することはできない。
海洋国家である米国も海離れが進んでいると聞く。米海軍の人員は現役約33万、予備役約10万で合計約43万人。世界最大かつ最強の海軍の屋台骨を支えているのは実は「人」である。
資料によれば2025会計年度の米海軍の募集広告費は2億8000万ドルに上るという。
規模の違いはあるものの防衛省の各地方協力本部に代表される自衛隊の募集・採用組織や予算規模は任務の重要性に見合ったものとなっているだろうか。
暑い「海の日」にそんなことを考えていた。
(2026年7月30日付『朝雲』より)






