朝雲寸言(2026年8月20日付)
8月19日
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熊本地震が起きて間もなく1カ月だ。避難所には今も3000人以上が身を寄せている。プライバシーの確保、トイレの衛生面はどうか。段ボールのベッドで雑魚寝なのか。食事はどうか。避難者が改善を求めるニュース映像は後を絶たない。
待てよ。我々は、震災のたびにこうしたニュースに接してはいないだろうか。1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、24年の能登半島地震、10年前の熊本地震でも、そうだった。世界有数の災害大国として恥ずべき状況ではないか。
「防災先進国」のイタリアは、国主導で発災48時間以内にトイレ、キッチン、ベッドと充分な生活環境を提供するシステムを持つ。米国でも避難所をホテルや民間施設に分散させる方式が稼働する。スウェーデンなどでは完全個室化を重視した措置を取る。
日本では能登半島地震を受け、24年に避難所運営のガイドラインを改定。国際的人道基準「スフィア基準」を導入した。物資の備蓄や迅速な調達を自治体へ強く促した。1947年成立の「災害救助法」は25年、改正された。
災害大国である。対策実行者は自治体ではなく、国であるべきだろう。法制度や組織を作っただけでは画餅に過ぎない。
「南海トラフ地震」は地球科学上、必ず来る宿命的巨大地震だ。本当に機能する体制づくりが急務である。
他国による脅威以上に、自国の災害対策のずさんさに脅威を覚えるのは、さて、少数派だろうか。
(2026年8月20日付『朝雲』より)






