朝雲寸言(2026年2月12日付)
- 2月12日
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立春は過ぎたものの朝晩はまだ寒い。天気予報は各地の春の訪れを告げているが北海道・東北・北陸では連日雪が降り続いている。北国に生きる人々にとって立春はあくまで暦の上のことでしかない。
記録的な大雪に見舞われた青森県は独り暮らしの高齢者世帯の屋根の雪下ろしのため自衛隊に災害派遣を要請した。少子高齢化が加速する地方では屋根の雪下ろしもままならない。無理な除雪作業中の死亡事故も発生している。
2024年1月1日の午後、震度7の地震が能登半島を襲った。地形が大きく変わるほどの地震災害によって道路は寸断され山間の集落が孤立する事態となった。自衛隊は燃料、医薬品、生活必需品などを背負い、寸断した山道を徒歩で克服して孤立集落を支援した。
24年1月末、名神高速道路の関ケ原付近において1200台もの車両が立ち往生する事態が発生した時も自衛隊は救助のために派遣された。一夜にしてすべてを覆いつくす雪と氷点下の気温は一切の交通手段を拒絶する自然の脅威である。そんな極限の環境において最も確実でそして最後の手段は人間の歩みである。
自衛隊は雪に強い。国土を侵す敵と戦う前に冬将軍に勝利することが任務達成の第一歩だからである。
毎年のこととはいえ連日の除雪作業はつらい。しかし長く厳しい冬の後には必ず再生と希望の春が来るのだ。そう思いながら雪と戦い続けるしかない。
(2026年2月12日付『朝雲』より)







