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朝雲寸言(2026年2月5日付)

2月4日
読了時間: 2分

生成AI(人工知能)の活用が叫ばれている。総務省「情報通信白書」(2024年度)によると、個人の生成AI利用率は日本の場合、26・7%という。


企画書作成や企業会計といったビジネス界だけでなく、家庭や医療の現場でも普及しつつある。国会答弁に活用できないか、という議論も散見される。AI搭載ロボットの導入も始まっている。人間の仕事を奪う猛攻ぶりだ。


確かに便利この上ない。代表的なAI「チャットGPT」の無料版でさえ、長文を一瞬で短文にまとめあげる。未知の言葉の意味を尋ねれば、概意をつかませてくれる。


しかし、元となるインターネット上のデータにフェイク情報が混在していても「正確に」取り込んでしまうのだ。元は既存データだから、突き抜けた個性的な成果物は得られない。


先日、機械メーカー倉庫の数十メートル級シャッターの解体作業を見た。散乱する無数の細かな機器や電気配線、防犯用回線。あたかも臓器や血管のように横たわり、手術現場のように感じられた。これらの再構築をヒューマノイドロボットが手掛けられるのか。


我々の社会は正確さだけでは立ち行かない。人間の手技は、状況や状態に応じて「ほどよい加減」を知っている。不正確過ぎれば危ういが、正確無比ゆえにくるうこともある。人間同士のやりとりも同じだろう。


変数に満ちた複雑怪奇な社会にあって、AIに主役の座を譲ってはならない。もっと人間の手を信じたい。


(2026年2月5日付『朝雲』より)

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