<春夏秋冬> 米中首脳会談で揺れる朝鮮半島 平岩俊司
- 20 時間前
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7年ぶりに習近平主席が北朝鮮を訪問した。中朝首脳会談で非核化に言及がなかったことから、中国が北朝鮮の核保有を黙認したとの見方がある。
しかし、昨年9月の金正恩総書記訪中の際も非核化について言及がなかったので、今回はある意味予想通りといえる。一方、中国は自らの姿勢に変化はないとの立場である。
言うまでもなく中朝首脳会談の前提にはトランプ大統領の訪中がある。米国側は米中首脳会談の成果文書を発表し、北朝鮮の非核化という「共有された目標」を確認したとした。これに対して金正恩総書記の実妹、金与正部長が「荒唐無稽な虚偽」として猛反発した。真実はどこにあるのか。
中国は、北朝鮮の核問題は米朝関係に起因するとの見方をする。2006年10月に北朝鮮が初めての核実験を行ったが、その後、中国側の働きかけで07年にベルリンで米朝協議が行われた。
当時、中国人専門家と意見交換する機会があり、「米朝協議は北京で行われるものと思っていたが?」と聞くと、「不愉快だが方向性は間違っていない。米朝協議がこの問題の核心だから」と。続けて「ただ簡単にうまくいくとは思えない。そのときは中国の役割がある」としていた。
今回の米中首脳会談においても、中国は北朝鮮問題について米朝関係の正常化を軸とする平和体制が必要との立場だっただろうし、アメリカ国務省からすればそれは北朝鮮の非核化を意味する。
中国は、時間はかかるが平和体制を構築すれば北朝鮮が核を持つ必要はなくなるとの立場だろうが、米国からすれば平和体制の前提は北朝鮮の非核化ということになる。だから中国から説明を受けた北朝鮮は猛反発したのだろう。
中国はまず休戦状態の朝鮮戦争を終戦させたいだろう。米朝中3者がサインした休戦協定を終結させて平和体制を構築するとの考え方だ。第1期のトランプ大統領も前向きだった。北朝鮮が警戒する韓国を排除できる。
また、露朝接近で存在感を増すロシアを排除できる。中国にとって好都合の枠組みだ。ただ、このプロセスで北朝鮮は核を放棄するのか。年内あと3回米中首脳会談が予定されているが、台湾問題と共に朝鮮半島情勢がどのように扱われるのか、米中関係から目が離せない。
(南山大学総合政策学部教授)








