時の焦点<国内> 日印首脳会談
- 4 日前
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相互協力さらに深めよ
新興・途上国の盟主として台頭するインドとの関係を深めていくことは、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を実現する上でも重要だ。
日印の相互協力をさらに深め、地域の安定につなげていく必要がある。
高市早苗首相がニューデリーを訪問し、インドのモディ首相と約1時間半、会談した。
会談後の共同記者発表で、高市首相は「(インドは)信頼のパートナー。隣人関係を新たな高みへと引き上げていく」と語り、モディ首相は「両国の取り組みがインド太平洋地域全体の平和、安定、そして進歩への道を切り開く」と応じた。
高市首相は、日本企業が総額2兆円の事業を実施する考えを表明した。環境負荷が小さいバイオガスのプラント1000基を整備する枠組みの創設などが含まれている。
両国は、昨年8月のモディ首相訪日時、10年間で10兆円というインドへの投資目標を定めた。高市氏は今回の訪印に際しても約80企業を同行させるなど、積極的な投資姿勢をアピールした。
14億超の人口を擁し、経済成長も著しいインドは、日本にとって魅力的な市場だ。IT技術の水準も高い。日本の資本を提供することでインドの経済発展につながれば、日本経済にも好影響があるだろう。
日印両国は今回、経済協力に加え、経済安全保障でも新たな協力の枠組みを設けた。首脳会談後の共同宣言では、半導体やレアアース(希土類)を中心とする重要鉱物、医薬品など5つの優先分野で技術協力を行うなどとした。
レアアースを巡っては、中国が日本への輸出規制を一方的に強化している。インドも、2020年の中印国境での軍事衝突をきっかけに、昨年までレアアースの輸入を制限されていた。
日印両国は協力して調達の多角化を進め、中国からの経済的威圧に対抗していかねばならない。
また、防衛協力では、艦艇搭載用の通信アンテナ「ユニコーン」がインドに輸出されることになった。
日印が16年に防衛装備品などの移転協定に署名して以降、初めての事例となる。ステルス性を向上させたユニコーンは、日本の最新鋭護衛艦にも採用されている。
日本は今年4月、装備品の輸出に関する制約を緩和し、移転できる装備品の範囲は広がった。インドへの装備品移転の事例を、さらに積み上げていきたい。
インドは昨年、関税問題を巡って米国との関係が悪化した。日米豪印4カ国で作る「クアッド」の外相会談は今年5月に開かれたものの、首脳会談は24年以来開催されていない。
FOIPをより実効性のあるものにするためには、米印関係の安定も欠かせない。
高市首相はトランプ米大統領、モディ首相双方に働きかけて、クアッドの重要性を説き続けなければならない。
霜月 荘六(政治評論家)






