時の焦点<国内> 中国の海洋進出
- 6月10日
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西太平洋の守り堅めよ
中国が西太平洋で軍事行動を活発化させている。放置していたら、日本の領土・領海や国益を奪われかねない。自衛隊の拠点である硫黄島を中心に、防衛体制を強化することが急務だ。
防衛省によると、中国海軍の空母「遼寧」が沖ノ鳥島の南西海域で、戦闘機やヘリコプターを発着艦させるなど軍事訓練を行ったという。ミサイル駆逐艦やフリゲートも、遼寧と行動を共にしたという。ミサイル駆逐艦は、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過していたことも分かった。
軍事訓練は公海上で行われた。また、宮古海峡は、艦艇が自由に通航できる海域だ。今回の中国軍の訓練は、国際法上、問題があるとは言えない。
だが、中国の空母はここ数年、西太平洋での訓練を繰り返している。昨年5月末から6月にかけては、空母2隻が初めて太平洋に同時に展開し、艦載機の発着艦訓練を約1千回行った。昨年12月には、艦載機が自衛隊機に対して、攻撃を意図するレーダー照射した。
中国が西太平洋を自らの管理下に置こうとしているのは明らかだ。
一方、西太平洋は、日本の経済安全保障にとって重要な海域である。
南鳥島の沖合の海底には大量のレアアース(希土類)が存在することが確認され、政府は試験的な開発を進めている。これに対し中国は、空母や海洋調査船をこの海域に何度も派遣している。
日本の最南端に位置する沖ノ鳥島は、領海の基点となる領土であり、広大な排他的経済水域(EEZ)の基点でもある。中国が沖ノ鳥島を「岩にすぎない」と主張しているのは、この海域の権益を確保する狙いがあるのだろう。
太平洋における自衛隊の拠点は硫黄島に限られている。常駐する自衛隊員は約400人にすぎず、大型の艦船が接岸できる港湾もない。このため十分な燃料や弾薬を置くことができず、戦闘機も未配備だ。
まずは硫黄島のインフラを整備し、基地の機能強化を図ることが重要だ。他の島も含め、上空を常時監視するレーダーも配備していきたい。
中国は、国際会議や各国要人との会談で、高市政権を「新型軍国主義」と批判している。日本を貶めることで日本国内の世論を戸惑わせ、高市早苗首相に、台湾有事を巡る昨年の国会答弁を撤回させる意図があるようだ。
シンガポールにおいて開かれたアジア安全保障会議で、小泉進次郎防衛相は中国と名指しは避けたものの、「核兵器や戦略爆撃機を持っている国が、そのいずれも持たない国を軍国主義だと呼んでいるのはおかしい」と反論した。
小泉氏の主張はもっともだ。日本は、中国の主張がいかに荒唐無稽であるかを繰り返し国際社会に発信していく必要がある。
夏川明雄(政治評論家)






