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時の焦点<国内> 中露の挑発活動

8月5日
読了時間: 3分

太平洋の警戒強化を


中国とロシアの軍が連携し、日本周辺で挑発行動を繰り返している。日本は警戒・監視能力を高めていく必要がある。


中露両国の海軍艦艇4隻が7月19日に沖ノ鳥島(東京都)付近の日本の排他的経済水域(EEZ)内を航行し、中国のミサイル駆逐艦が機関銃の射撃訓練を行った。防衛省が21日に発表した。


EEZにおける軍事活動は国際法上違法ではない。だが、4隻の艦艇は10日ほどかけて日本の周辺を航行し、潜水艦やミサイルによる攻撃に対処するような高度な訓練も実施した。日本を威圧する意図があったのは明らかだ。


中国からの事前通告は訓練の直前で、船舶の航行にも影響を及ぼす可能性があった。危険な行動である。


看過できないのは、日本が外交ルートで懸念を伝えたのに対し、中国が「沖ノ鳥島は岩礁であり、EEZを設定できない」などと主張したことだ。訓練は、島に対する日本の主権を否定するための示威行動でもあったようだ。


沖ノ鳥島周辺の海底には、豊富な鉱物資源が存在するとされる。海洋権益を守る必要があるが、広大な太平洋を監視する自衛隊の能力は十分とは言えない。レーダーや無人機(ドローン)を急ぐ必要がある。


日本周辺では近年、中露両軍の共同活動が確認されるようになった。2021年以降、共同航行は7回実施され、爆撃機による共同飛行も19年から11回に上る。


6月には爆撃機4機が沖縄本島と宮古島の間を抜けた後、四国沖の太平洋まで共同航行した。昨年12月には、核ミサイルを搭載可能な機種を含む両軍の爆撃機が東京方面に向かった。日本に対する威嚇行為が、今後さらにエスカレートする可能性がある。


中国は防衛力強化を進める高市政権を「新型軍国主義」と批判し、ロシアも同調している。共同訓練には、両国が足並みをそろえることで日本への圧力を強化する狙いがあるのだろう。


だが、東アジアの軍事的な緊張を高めているのは中露の側である。中国は7月、南シナ海で潜水艦発射型弾道ミサイルの発射実験も行っている。日本への批判は全くの筋違いだ。


中国はこれまでも、日本のEEZ内で射撃訓練を行ってきたとされるが、日本政府は今回、初めて公表に踏み切った。


訪英中だった小泉進次郎防衛相は、英国やイタリア、カナダの国防相との会合で、中露の活動について情報を共有したという。インド太平洋と欧州・大西洋の安全保障は不可分であることを、欧州側に示すことができたのではないか。


日本と欧州の同志国は、力による現状変更を試みる中露に対し、現状維持の意思と能力を示していかねばならない。共同演習などを積極的に実施して抑止力を強化し、地域秩序の安定を図っていく必要がある。


霜月荘六(政治評論家)


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