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時の焦点<国内> 国家情報会議

  • 6月3日
  • 読了時間: 3分

体制整え危機の芽摘め


外国勢力による偽情報の拡散や影響工作、先端技術の窃取といった事例は後を絶たない。


情報収集の司令塔として新設される組織は、脅威の兆候を把握し、危機を未然に防ぐよう努めねばならない。政府のインテリジェンス(情報収集、分析)に関わる司令塔を創設するための国家情報会議設置法が成立した。


新たな会議は、首相を議長に外相、防衛相、国家公安委員長ら関係閣僚で構成する。現在の内閣情報調査室を国家情報局に改組し、会議の事務局とする。


国家情報局には、外交・安全保障政策の判断のための重要情報を各省庁から収集する権限を持たせる。情報局は7月に設置される見通しだ。収集する情報は、サイバー攻撃やテロといった直接的な脅威に限らない。外国勢力による影響工作も対象になる。


高市早苗首相は設置法の審議で、外国のものと疑われる不審アカウントが、2月の衆院選で不審な内容を投稿していたと明らかにした。新設する会議で、手口や実態を解明する考えも示した。選挙介入の疑いのある不自然な投稿の拡散は、昨年の参院選でも確認されている。政府に批判的な投稿に大量の「いいね」が押されたり、転載が繰り返されたりした。


首相の顔を不自然に加工した画像と共に、首相は「闇と恐ろしさ」を心に抱えている、といった文言が投稿された。有権者が偽情報や誤情報に惑わされれば、民主主義の根幹が揺らぎかねない。新たな司令塔を中心に、外国勢力による世論への介入を防ぐ対策に取り組むべきだ。


SNS上での偽・誤情報は自動投稿プログラムで大量に投稿・転載されるのが特徴とされている。


AI(人工知能)も活用して効率的に対応する必要がある。新組織は、AIを駆使できる技術系の職員の採用を検討してはどうか。外国勢力による官民の機密情報を狙う活動は後を絶たない。


公安調査庁は2021年、日本の宇宙・航空関連技術の研究を学んだ中国人研究者が、本国で極超音速兵器の開発に携わった疑いがあるとの報告書をまとめた。また、ロシアによるスパイ事件の摘発は、ソ連崩壊以降11件に上る。


首相は外国の利益を図る目的の情報窃取について、国家情報会議の調査対象にすると答弁した。


スパイ活動に関する情報は、警視庁や外務省など複数の省庁にまたがることが多い。国家情報会議に情報を集約し、迅速な対応につなげる必要がある。


内閣には、外交・安保政策の司令塔として国家安全保障会議がある。国家情報会議とメンバーがほぼ重なることもあり、国会審議では、政策と情報の距離をどう保つのかも議論になった。


政策部門への配慮で必要な情報が報告されなかったり、情報部門の意向で政策がゆがめられたりすることはあってはならない。


霜月荘六(政治評論家)

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