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時の焦点<国内> 日韓首脳会談

  • 5月27日
  • 読了時間: 3分

ホルムズ海峡が封鎖され、日韓両国とも原油などエネルギーの確保が喫緊の課題となっている。イランを攻撃した米国が、在日・在韓米軍の一部戦力を中東に移したことで、力の空白がアジアに生まれかねないことも懸念材料だ。日韓両政府は、首脳間の頻繁な往来を具体的な協力につなげていくべきだ。


高市早苗首相が韓国南東部の安東(アンドン)を訪れ、李(イ)在(ジェ)明(ミョン)大統領と会談。日韓首脳会談は1月、首相の地元奈良で行われた。今回の開催地の安東は、李氏の故郷である。両首脳が短期間で互いの故郷を訪問したことは、日韓のシャトル外交が定着しつつあることを示す。


首脳会談では、イラン情勢への対応が主な議題となった。会談後に発表された、日韓両国のエネルギー安全保障を強化するための共同文書には、どちらか一方の国で原油や石油製品が不足した際、相互に融通することを検討するため、官民対話を進める方針が盛り込まれた。供給が滞った時に備え、平時から協議しておく意義は大きい。


高市首相は先月、アジア全体でエネルギーを確保するための枠組み「パワー・アジア」を設けると表明。具体的には、主に東南アジアの国々が中東から円滑に原油を調達できるようにするため、日本が政府系機関を通じ、代金回収の保証をするものだ。将来的には、アジア全体で原油を備蓄する構想も含まれている。


日韓首脳会談では、この枠組みに韓国を含める方向で調整することが決まった。日韓両国も、東南アジア各国も、石油化学製品などさまざまな製品の供給網を築き、依存し合っている。韓国や東南アジア各国の原油の備蓄量は、日本に比べて少ない。多面的な協力を通じて、アジア全体の安定を目指すことは重要だ。


一方、首脳会談では、今月初めに日韓次官級の外務・防衛協議が開かれたことを踏まえ、2国間の安全保障協力を強化していくことも確認した。


北朝鮮はロシアの軍事協力を得て、ミサイルの性能を向上させている、とされる。中国の海洋での覇権的な活動も軽視できない。そうした厳しい情勢を踏まえれば、日韓が防衛協力を深めるのは時宜にかなっている。


両政府は、自衛隊と韓国軍で物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)や、共同訓練を拡充するための円滑化協定(RAA)などの制度を整えるべきだ。


ただ、防衛協力は一筋縄ではいかない可能性もある。8年前、海上自衛隊機が韓国海軍の艦艇から、攻撃の意図を示す火器管制レーダーを照射された。


自衛隊側には、今なお韓国軍への不信感が根強くあるという。韓国が本当に日韓の制服組の協力を深めたいのであれば、こうした事案をうやむやにしていてはならない。


夏川明雄(政治評論家)

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