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時の焦点<国内> 拠出金の運用

  • 3 日前
  • 読了時間: 3分


疑念招く ずさんな運用


会計検査院が、省庁などが2018~21年度に国際機関に任意で拠出した426件について、運用状況を検査した。その結果、3割超にあたる145件で支出の妥当性が疑われるなど、管理のずさんさが判明した。


具体的には、44件で会計報告を定期的に受領していなかったほか、58件で繰越額を定期的に把握せず、43件では余剰資金を確認していなかった。


国が負担している拠出金には、条約などに基づく義務的拠出金や、事業が有益だとして省庁などの判断で行う任意拠出金などがある。


18~23年度の日本の拠出は総額5兆237億円だった。このうち任意拠出金は3兆292億円で、拠出金全体の6割を占めた。


検査院の報告によると、経済産業省は、東アジアの経済統合を研究している「東アジア・アセアン経済研究センター」に対し、23年度までの6年間で計258億円を支出した。ところが、会計報告は一部しか受け取っていなかった。


検査院の指摘を受けて経産省がセンターに確認したところ、拠出総額の4割近い96億円が、23年度末時点で繰り越されていた。巨額の資金投入が適切だったのか、疑いたくなる。


また、厚生労働省は国際労働機関(ILO)に対し、総会開催時の日本語の通訳経費として計1億1830万円を支出していたが、収支を詳細に計算しておらず、根拠は不十分だった。


総務省は東南アジア諸国連合(ASEAN)に対し、各国政府の職員がICT(情報通信技術)を学ぶ事業の基金として毎年1000万円余りを出していたが、余剰資金を確認していなかった。このため、繰越額が右肩上がりに増えていた。


省庁が拠出金の使途変更を公表していなかった事例もある。厚労省は20年、新型コロナ用のワクチンを共同購入・分配する国際的枠組みに172億円を拠出。だがその後、日本はこの枠組みを利用しなくても米国の製薬企業から直接ワクチンを確保するめどがついた。このため、拠出金の大半を途上国向けに使うことでこの枠組みに合意した。結果として、国民向けに使われた拠出金は「ゼロ」だった。


厚労省は「途上国にワクチンが行き渡れば、国内の感染対策にもなる」としているが、そのことを国内で公表していなかった。


どのように使われたか確認することが必要であり、使途を変更するなら公表するのが筋だろう。


会計検査院は過去にも、国際機関に拠出されているODA(政府開発援助)を調査し、会計報告が提出されていない、などの問題を指摘した。


各省庁は一度指摘を受けたにもかかわらず、任意拠出金でも同じ問題を繰り返していたことになる。


新型コロナの感染拡大や、ウクライナ戦争による人道危機などもあり、国際機関は多くの資金を必要としている。23年度の日本の拠出額は1兆5590億円で、前年度の倍に増えた。


霜月荘六(政治評論家)

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