時の焦点<国内> 日米首脳会談
- 3月26日
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更新日:5月13日

停戦実現へ役割果たせ
中東の戦火はいつ収まるのか。日本は米国に何を言うのか。世界中が注目する中で行われた日米首脳会談において、両首脳はひとまずイラン情勢の安定に協調して取り組むことで一致した。国際法を軽視するトランプ米大統領との難しい会談を、高市早苗首相は無難にこなしたと言えるのではないか。
紛争の収束に向けたハードルは依然高い。日本は、停戦の実現に向けて米国と意思疎通を続けねばならない。平和の回復へ国際世論を喚起していくことも重要だ。
日米首脳会談がワシントンで約1時間半行われた。その後の夕食会も含め、計3時間、両首脳は中東情勢や対中国政策、日米同盟などについて協議した。
首相は会談の冒頭で、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」と述べ、トランプ氏をファーストネームで呼んだ。「諸外国に働きかけてしっかりと応援したい」とも語った。
首相としては、トランプ氏に寄り添う姿勢を示しつつ、停戦に関心が向くようにする狙いがあったようだ。これに対しトランプ氏は、「日本は責任を果たそうとしている。NATO(北大西洋条約機構)とは違う」と述べ、ホルムズ海峡の航行の安全確保のための艦船派遣に慎重なNATO各国に不満を示した。
今回の会談で、トランプ氏は日本にも航行の安全確保に向けて貢献するよう求めたという。
首相は会談後、「日本の法律の範囲内でできることと、できないことがある」と応じたことを記者団に明らかにした。憲法9条も取り上げたとみられている。トランプ氏は、首相の説明に納得したと言われている。米国とイスラエルによる今回のイラン攻撃は、国連決議を経ておらず、国際法違反の可能性が高い。欧州には、米国と距離を置こうとする国が多い。
「法の支配」を重視してきた日本としても、米国の攻撃を支持するのは難しい。一方で、日米同盟を毀損すれば、日本の安全を保てなくなる恐れがある。
首相が現実の国際情勢を踏まえ、可能な範囲で米国に協力する姿勢を示したことは理解できる。
ホルムズ海峡は戦闘状態にある。現状で自衛隊を派遣し、民間船舶の護衛などを行うことは容易ではない。自衛隊による貢献は戦闘の収束が前提となろう。
首脳会談ではまた、中国を巡る諸課題に対し、日米両国が緊密に連携していくことを確認した。台湾海峡の問題についても、一方的な現状変更の試みに反対することで一致したという。
軍事、経済両面で威圧を強める中国の振る舞いは看過できないものだ。日米で足並みをそろえ、中国に自制を促していくことが欠かせない。
夏川明雄(政治評論家)
(2026年3月26日付『朝雲』より)







