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時の焦点<国内> 国家情報会議

  • 3月19日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月13日


新たな司令塔の創設


政府が、インテリジェンス(情報収集、分析)の司令塔を創設する法案を閣議決定した。首相を議長に、官房長官や外相、防衛相ら9閣僚で構成する「国家情報会議」を内閣に設置し、情報収集の基本方針などを定める。


内閣官房の情報部門である内閣情報調査室(内調)を国家情報局に改組し、会議の事務局とする。国家情報局には総合調整の権限を与え、外務省や警察庁など各省庁の情報部門から必要な情報提供を受けることができるようにする。


国家情報局で分析された情報は、外交・安保政策を立案する国家安全保障会議(NSC)に提供される。


新たな組織の設置には、情報と政策の機能を分離し、政策判断の客観的な判断材料を求めようとする狙いがある。


ただ、情報の集約は今もNSCで行われ、それは今後も続くという。国家情報会議とNSCは同格となり、双方が重要情報を扱うことになる。情報が錯綜(さくそう)しないよう、各組織の役割を精査することが求められる。


留意すべきは、今回の法案が国家情報会議という「ハコ」作りに限られる点だ。現在の内調は、情報収集衛星を運用する部門を除けば300人程度で、情報収集の機能は十分とは言えない。


与党からは機能の強化へ向け、通信や電波、電子信号などの収集能力を優先して強化すべき、との提言も出ている。米国・イスラエルとイランとの戦闘でも、通信傍受やハッキングが当たり前のように駆使される様子が伝えられている。


通信傍受は、重大犯罪の捜査などに限って認められているが、これを拡大した場合、知る権利や報道の自由を制約しかねない。


憲法が保障する権利と調和する制度を作ることが可能なのか、まずは海外の実例を研究する必要があるだろう。有識者から広く意見を聞くことも検討するべきだ。


重要な情報は収集するだけでなく、外国勢力などに渡らないようにせねばならない。外国勢力によるスパイ行為が疑われる事件は相次いでいる。


1月には首都圏にある精密機械メーカーの社員が、ロシアのスパイとみられる男に先端技術の情報を漏らしていたことが分かった。


先月には広島県のプラスチックメーカーの元社員が、営業秘密にあたる設計図を不正に持ち出していたことが判明した。警察は、中国企業が関与したとみている。外国からの影響力工作にも備える必要がある。


与野党からは、外国政府などのためにロビー活動をする場合、登録を義務づける制度を求める声が出ている。


豪州やイギリス、フランスは2018年以降、登録制度を整備した。中国の活動が活発化していることが、背景にあるようだ。


登録制度の検討を急ぐ必要がある。


霜月荘六(政治評論家)


(2026年3月19日付『朝雲』より)

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