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時の焦点<国内> 高市政権再始動

  • 2月18日
  • 読了時間: 3分

大勝で「1強多弱」へ


衆院選は自民党が衆院の3分の2を超す316議席を獲得した。単独政党として戦後最多の獲得議席数となる歴史的大勝利である。日本維新の会と合わせた与党では計352議席となった。一方の野党は、数十人単位の少数政党が並んだ。日本政治は、経験したことのない「1強多弱」の時代を迎えた。


高市早苗首相は、投開票から一夜明けた2月9日の記者会見で、「政策転換を何としてもやり抜いていけ、と背中を押していただいた」と述べた。衆院の解散がなければ、2028年の参院選まで国政選挙がない。


今回の衆院選で強固な基盤を整えた首相は国家情報局の創設や、旧姓の通称使用を拡大するための法制化など、国論を二分するような政策にも着手すると見られる。ただ、野党が大きく退潮する中、仮に政権が判断を誤れば、取り返しの付かない事態を招きかねない。首相や自民党は、自律的な政権運営を心がける必要がある。


昨年の参院選以降、衆参両院では少数与党の状態が続いていた。与党は予算成立への協力を得るためとして、野党の要求を受け入れてきた。


与党は今回、衆院で「3分の2」以上の議席を確保した。参院で法案が否決されても、衆院で再可決が可能になる。歳出の膨張を招く配慮は必要なくなる。


とはいえ、財政健全化への道筋は、なお不透明と言わざるを得ない。衆院選で与党は、所得を拡大するためとして、食料品の消費税率を2年間ゼロにすると公約した。


首相は「超党派の国民会議で検討を加速する」としている。消費税は年金や医療などに充てる財源だ。社会保障経費は、消費税収を10兆円以上も上回っており、減税の余地はないはずだ。加えて、市場から財政悪化に歯止めがきかないと見られれば、円安もさらに進むだろう。輸入コストが上がって物価が上昇すれば、「所得拡大」との整合性も問われる。


与党の大勝は、外交面でもプラスに働く。トランプ米大統領からは早速、「圧倒的な勝利を心から祝福する」とのメッセージが送られてきた。3月に予定されている首相の訪米を、日米同盟の基盤強化につなげたい。対中政策でも米側に日本の意向がくみ取られるよう努めねばならない。


公示直前に結党した中道改革連合は民意をくみ取れず、公示前の約3割の49議席に落ち込む惨敗を喫した。野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表は責任を取って辞任した。


内閣不信任決議案の提出に必要な51議席にも届かず、「与党ペース」は避けられない。自民と民主がしのぎを削った時代は終わりを迎えた。他の野党も国民民主党が28議席、参政党が15議席で、軸となる政党は見当たらなくなった。


個別政策を実現するため与党に協力するのか、野党がまとまって自民に対峙する固まりをつくるのか。野党の役割も問われることになる。


霜月荘六(政治評論家)

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