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時の焦点<海外> 停戦60日間延長

6月24日
読了時間: 3分

米、「検証」を最重要視


トランプ米大統領は6月14日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「イランとのディール(取引)が完了した」と発表した。


米軍によるイラン港湾の海上封鎖は既に解除され、ホルムズ海峡も開放されたと述べた上、「世界の船舶よ、エンジンを始動せよ、石油の供給だ!」と、いつものトランプ流儀で付け加えた。結果はすぐに現れた。石油の価格は下落し、株価は上昇した。


しかし、何より重要なのは、イランの核兵器保有は永久に交渉対象にはならないという実際の枠組みが初めて存在する点だろう。


現在はまだ覚書の形でまとめられており、米・イランの停戦を60日間延長し、その間に両国が包括的な恒久的合意を目指す。合意の正式調印は19日にスイス・ジュネーブで予定されていたが、延期された。


イランのガリババディ外務次官は、軍事作戦を14日から停止したことを確認し、同時に(1)米が合意に違反すれば、イランも対抗措置を取る(2)交渉の次の局面はイランの凍結資産の扱い次第――などの姿勢を明確にした。


はっきり言って、イランは今回の合意の限度を試そうとしている。それがイランの常とう手段である。だが、交渉の枠組みがあり、検証のメカニズムが重要になってくる。


バンス副大統領が14日、FOXニュースのインタビューで、「ディールが米国民に何を意味するか、それを理解するには3点が重要」と説明。


「第1が、これはホルムズ海峡の即時開放と、イランに対する海上封鎖の解除。第2は、イランは決して核兵器を保有しないということ。単に核兵器を追求しないだけではなく、核兵器を調達したり、購入したりすることもない。これが今回の合意に組み入れられている」


バンス氏によると、第3はイランが合意を順守するかどうか次第だ。「もしイランがこのディールを順守すれば、中東をその後の50年間、根本的に変えることになる。戦争が終わり、中東にはもっと投資しやすくなる。米国民にとってエネルギー価格も低下する。この地域は私の全人生かそれ以上の長期間、ずっと危険地帯だった」


この先、両国間で必要な詰めの作業が山ほどあるのは明らかだが、米国がイランに疑念を抱くのには十分な理由がある。同国は交渉の継続を「人質」として扱い、交渉が時間切れになるまで延々と時間稼ぎを続けた長い歴史がある。


しかし、トランプ政権は、巨額の現金を積んだ航空機を深夜にひそかにテヘランへ飛ばすことはないし、核兵器保有への道を開けてやることもしない(オバマ政権はこれらすべてを行った)。


ポイントはここにある。トランプ政権は検証をディールに組み込んだ。バンス氏が率直に述べた通り、恩恵はイランが約束を果たした時にのみ現れる。


冷戦時代のレーガン政権は対ソ軍縮交渉で、「信頼せよ、しかし検証せよ」をモットーにした。この伝でいけば、トランプ政権の対イラン交渉は「何も信頼するな、全てを検証せよ」とでもなろうか。


草野徹(外交評論家)

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