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時の焦点<国内> 島嶼国海洋会議

  • 20 時間前
  • 読了時間: 3分

温暖化の危機を発信


島国を巡る海洋問題を議論する世界島嶼国海洋会議が、東京都内で2日間開かれた。海洋の保全活動などを行ってきた日本財団が、外務省とユネスコ政府間海洋学委員会の協力を得て開催した。


太平洋やカリブ海、インド洋など35カ国の首脳や閣僚に加え、国際機関の関係者など約300人が出席した。会議では、気候変動や海洋汚染に関する新たな研究組織を東京に設置することを決めた。


研究組織は、島嶼国が受けている環境被害のデータを収集、分析し、今秋、トルコで開かれる国連の気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)に提供して具体的な対策を促すという。


小規模な島嶼国は、地球温暖化の影響を強く受けている。南太平洋のツバルやキリバスは、海面の上昇に見舞われて国土が水没の危機に瀕(ひん)している。西太平洋のパラオは、海面上昇のほか台風や高潮といった甚大な自然災害に見舞われている。


今回の会議の共同議長を務めたパラオのスランゲル・ウィップス大統領は「過去10年にわたりサンゴ礁の魚の個体数は減少を続けている。私たちの食料安全保障、経済安全保障を脅かしている」と訴えた。


だが、国際社会の動きは鈍い。ブラジルで昨年開かれたCOP30では、化石燃料からの脱却に向けた工程表の作成が見送られた。


トランプ米政権が温暖化対策に後ろ向きの姿勢を取っていることが影響している。


島嶼国の首脳級会議は国連でも開催されているが、テーマが広く、実効性のある政策につながっていないとされる。これに対し、今回の会議は海洋分野に議論を絞り、具体的な事業への道筋を付けた。


日本財団では5年後をめどに2回目の会議を開き、研究成果を検証する方針だ。


島嶼国の課題に貢献することは、日本の国連外交にもプラスに働くだろう。


国連加盟国は人口に関係なく「1票」を持っている。


豊かな漁場を持つ国も多く、漁業資源の安定確保も期待できる。広大な排他的経済水域(EEZ)は資源の宝庫でもある。南太平洋のクック諸島の海底には、コバルトやニッケルが豊富にあるとされる。


日本は環境影響評価などで優れた技術力を持つ。技術支援を通じ、資源開発に積極的に関与していくべきだ。


太平洋の島嶼国は、海洋進出をもくろむ中国との勢力争いの場にもなっている。


日本政府は1997年以降、3年に1度、太平洋・島サミットを開催し、各国の人材育成や資源開発に協力してきた。一方の中国は、空港などのインフラ整備に巨額の援助を行い、影響力を強めようとしている。


今回の海洋会議の成果を太平洋の島嶼国との関係強化にもつなげていく工夫が、政府には求められている。


霜月 荘六(政治評論家)

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