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時の焦点<海外> イスラエル

  • 4月22日
  • 読了時間: 3分

更新日:5月13日


中東で唯一の米同盟国


イランとの戦争は、米国にとってイスラエルが中東で唯一の真の同盟国という現実をあらためて鮮明にした。


トルコ、サウジアラビア、クウェート、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)といった他の同盟国は、自国内の米軍基地の使用や領空の飛行も拒否。サウジが後に自国の空軍基地1カ所の使用を許可しただけだった。


米国は、原油・天然ガスの輸入でホルムズ海峡に大きく依存している欧州、アジアの同盟国が同海峡の開放に協力すると思っていたら、返事は「ノー!」。これに対しトランプ大統領は「ショックだ」「臆病だ」と反応した。


マクロン仏大統領は「現在の状況では、フランスは同海峡の開放作戦に参加しない」と宣言。そしてスペインと同様、仏の基地使用やイスラエル機への燃料補給のために仏領空を飛行することも拒否した。

トランプ氏は「協力的でない」と批判し、イスラエルも米に歩調を合わせ、国防省が3月31日、仏との軍事契約をすべて終了すると発表した。


スターマー英首相は「自国と同盟国の防衛のため必要な行動を取るが、広範に及ぶ戦争には引き込まれない」と言明。だが、在キプロスの英基地がイランのドローンに攻撃されても、何の行動も起こさなかった。


北大西洋条約機構(NATO)の姿勢にも疑問が残る。イランがイラク北部のイタリア軍基地を攻撃しても、トルコに弾道ミサイル攻撃を加えても、何もしなかった。


ルッテNATO事務総長は「NATO自体が巻き込まれたわけではない」との声明を発表。言い換えれば、加盟1国への攻撃は全加盟国への攻撃と見なすという同機構の規約の中核を順守しないというわけだ。

ピストリウス独国防相は「我々の戦争ではない。我々が始めたわけではない」と言い切った。


これにはトランプ氏は「米国はもはやNATOにとどまる必要はない」(3月27日)、ルビオ国務長官も「NATOは今や、米国がただ欧州を守るだけの一方通行になったのか、再検討しなければならない」(3月31日)と反発。


欧州「同盟国」の姿勢と比べ、米政府・軍部には、イスラエルが数少ない真の同盟国であることが明確になった。イランでの共同作戦では、イスラエルは積極的な同盟国であるばかりか、極めて有能な同盟国であることを示した。


湾岸諸国が米国に領空通過を認めなかった時、イスラエルが米機を支援したほか、米国のイコールパートナーとして戦争に全面的に参加した。


指揮系統のあらゆるレベルで協調が進んだ。イスラエル軍将校が米中央軍(CENTCOM)基地で共に活動する一方、米軍将校はテルアビブのイスラエル軍司令部に配置された。作戦を同時に進めるため、両軍は日に4000―5000回、交信し合った。


戦争の結末、NATOとの関係がどうなろうと、両国の政治・軍事指導部間の前例のないほど緊密な協調は相互尊重の新たなレベルになった。「イスラエルは意志と能力を兼ね備えた揺るぎないパートナー」(ヘグセス国防長官)は過言でもないだろう。


草野徹(外交評論家)


(2026年4月23日付『朝雲』より)

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