朝雲寸言(2026年4月23日付)
- 4月22日
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2016年4月、熊本県で地震が発生した際に動物園からライオンが逃げ出したという情報が画像付きでSNSに投稿された。投稿は1万回以上リポストされ、動物園には問い合わせの電話が殺到した。
24年8月、水平に広がる「地震雲」と呼ばれる雲の画像と共に「巨大地震が来る」と発信された偽情報が拡散した。南海トラフ地震の臨時情報が発表された直後のことだった。
雲が地震の前兆となることはない。しかし偽情報は瞬く間に日本各地に広まった。まさにSNSの広がりの凄さを認識させられた出来事だった。
ユネスコは偽・誤情報を三つに区分している。(1)偽情報:個人、社会、組織または国に危害を与えるため、虚偽かつ故意に作成された情報(2)誤情報:虚偽の情報であるが危害を引き起こす意図で作成されたものでないこと(3)悪意ある情報:事実に基づく情報を個人、組織または国に危害を加えるために使用すること。
認知戦とはSNSやAI技術を駆使して敵対国や世論の「認識・心理・感情」に働きかけ、物理的な戦闘なしに相手の意思決定や行動を自分に有利な方向へ誘導する戦略的な情報戦をいう。現代の戦争は私たちの日常生活においてSNSという空間の中ですでに始まっているのである。
情報収集・分析機能の強化を目指し、省庁横断的に情報を集約一元化する新たな組織(国家情報局)の創設に向けて国会での審議がはじまった。
(2026年4月23日付『朝雲』より)







