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時の焦点<国内> 即応体制の強化

  • 4月16日
  • 読了時間: 3分

抑止力の確立を急げ


周辺国の軍拡が進む中で国民の命と暮らしを守り抜くためにはミサイルによる迎撃に加え、相手の拠点を無力化する反撃能力を備える必要がある。自衛隊が有事に即応できるよう体制の整備を急がねばならない。


陸上自衛隊が、敵の射程範囲外から攻撃できる国産の「スタンド・オフ・ミサイル」を、熊本県の健軍駐屯地と静岡県の富士駐屯地に配備した。


熊本には、「12式地対艦誘導弾能力向上型」から名称変更された「25式地対艦誘導弾」が配備された。


射程は1000キロメートルを超え、中国沿岸部や北朝鮮にも到達するとみられる。この誘導弾の配備により、日本を狙って弾道ミサイルなどが発射された場合、その拠点を叩くことが可能になる。


一方、静岡に配備した「25式高速滑空弾」は、迎撃されにくい高高度を超音速で飛ぶ点が特徴だ。射程は数百キロメートルだという。主に離島防衛に活用する方針だ。


今回の配備により、自衛隊は初めて反撃能力を持つことになった。ミサイルを発射する敵基地を、直接破壊することが可能になる。


ミサイルは今後、北海道や宮崎県の陸自駐屯地にも配備される。海自の護衛艦、空自の戦闘機にも順次搭載される計画という。


中国や北朝鮮は、音速の何倍もの速さで飛ぶミサイルや、軌道が変則的な兵器の開発・導入を進めている。これらを日本のシステムで迎撃することは極めて難しい。


長射程ミサイルの配備により、日本を攻撃すれば反撃を受けると思わせることになる。抑止効果も期待できる。


もっとも、敵の位置を特定する探知能力がなければ、反撃能力を行使できない。移動する目標を捕捉するための衛星や通信システムの構築を急ぐ必要がある。


日本は、米製の巡航ミサイル・トマホークを購入し、反撃能力に活用することも計画しているが、米国はイラン攻撃で多数のトマホークを使用した。日本に供給する余裕があるのか見通せない。


国産ミサイルの量産化は、継戦能力を高める上でも急務だ。反撃能力に実効性を持たせたい。


駐屯地の周辺住民からは「敵の攻撃目標になる」と配備を不安視する声も出ている。防衛省は住民の理解を得るべく丁寧に対応してほしい。


長射程ミサイルの配備に加え、海上自衛隊でも有事に即応する組織再編が実施された。


自衛艦隊の中核を担う「護衛艦隊」が、「水上艦隊」へと再編された。


護衛隊はこれまで4群編成だったが、訓練や修理などで有事に対応できるのは2群に限られていた。水上艦隊では1群あたりの艦数を増やし、3群すべてを常時機能させるという。


日本周辺では中国船の活動が活発化し、警戒任務が増える一方、自衛官の採用難で乗員は不足している。部隊を合理化し、戦力の集中を図るのは当然だろう。


霜月 荘六(政治評論家)


(2026年4月16日付『朝雲』より)

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