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時の焦点<海外> 米、イラン攻撃

  • 3月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:3月16日

核兵器排除など4目標


2026年2月28日、米国とイスラエルは対イラン攻撃を開始した。イスラム専政の指導部を壊滅状態にし、ペルシャ(イランの旧称)国民に自由へのチャンスを与えた日になる。


1979年のイスラム革命で、親西側のパーレビ政権は崩壊。革命政権は同年11月4日に在テヘラン米大使館員52人を人質にし、レーガン政権発足まで444日間、拘束した。以来、約50年間、イランは米国など西側を標的に世界各地でテロを続け、米軍要員869人を殺害した。


米国はついに反撃に出た形で、「イランとの戦争を始めたのは米国ではないが、米国はそれを終わらせる」(ヘグセス国防長官)ということだ。


同長官とケイン統合参謀本部議長が3月2日の記者会見で、今戦争の4つの目標を明らかにした。(1)核兵器を製造する可能性の完全排除(2)米、欧州、湾岸同盟国に到達し得る弾道ミサイル製造能力の除去(3)海洋上の脅威と国民への暴力の排除(4)中東の同盟国および世界に展開する米国軍民要員への脅威の除去――。


ヘグセス長官は、政治体制の変更はイラン国民の役割だと言明。米国は4つの目標を達成するために限りなく続くような戦争はしないと強調し、目標完了に向け速やか、かつ強力に行動していくと述べた。


攻撃を受けたイランが湾岸諸国を攻撃したのは、大きな誤りだった。これら諸国が一致して米・イスラエル側に付く結果になったからだ。


それより、中東の盟主サウジアラビアの最高実力者ムハンマド皇太子がトランプ大統領との電話で、イランへの攻撃を要請していた(米紙「ワシントン・ポスト」2月28日)という事実は興味深い。


サウジ(イスラム教スンニ派)とイラン(シーア派)は中東の覇権を争う上、サウジは自国の石油産業をイランの攻撃から守る必要もある。イスラエル機がイランに飛ぶには、アラブ諸国の領空通過の許可が要るが、今回すんなり承認された事情もそれで分かる。


英独仏など、さほど“親トランプ”でもない北大西洋条約機構(NATO)諸国も現在は、米国の戦いを支援している。


イランがホルムズ海峡に機雷を敷設するのを防ぐ努力である。世界の原油・天然ガス供給の20%が同海峡を通過するだけに、目下の重要な共同努力の一つである。


今回の戦争の面白い背景の一つは、ロシア、中国ともイランの救援に動いていない点だ。両国が今回の軍事行動の見事な効率に衝撃を受けたことは想像に難くない。


また、中国は安価なエネルギーの供給源を失った。1月に米軍の特殊部隊がベネズエラのマドゥロ大統領を現地で拘束し、身柄は米国に移送済み。ベネズエラ、イランと、何と2カ月連続して安価なエネルギーの供給先を失った中国は、さらに窮地に追い込まれた。


トランプ政権の見事な戦略だ。今後、イランの新政権、新体制への動きがどう出るか。要は、「米国に死を!」のスローガンを国是にしたり、米大統領の暗殺を謀ったりしないこと(まだ山ほどあるが)である。


草野 徹(外交評論家)


(2026年3月12日付『朝雲』より)

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