朝雲寸言(2025年5月15日付)
- 2025年5月15日
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更新日:6月8日

海洋国家とは「海との関り合いの深い国家」のことをいう。ただし島国や半島といった地理的条件だけでなく海岸線の長さ、領海の広さ、貿易収支や海軍力など、どの基準をもって海洋国家とするのか明確な定義はない。
我が国は領土の面積でいえば世界で61番目、一方で領海と合わせた経済的排他水域(EEZ)の広さは世界で6番目である。歴史的に見ても英国と並んで海洋国家の代表といえるだろう。
太平洋と大西洋の二つの海洋に面する米国は直接外洋に進出可能な長大な海岸線を有する。ロシアも長い海岸線を有するが、その海岸線は1年のほとんどが氷に閉ざされている。
海の地政学者マハンは国家が「シーパワー」を活用できるかどうかは「海に向かう者の数」によると考えた。国民が海を使って活動する適性を持っているかどうか。軍艦を建造し、軍艦に乗り、海軍や沿岸警備隊に加わろうとするかどうかが重要だと説いた。
近年の世界の造船業の占有率を見ると中国が50%を超え、韓国が30%、日本が17%、米国に至っては1%にも満たない。日米関税交渉の切り札と目されているのが造船業であるのは海洋国家米国の衰退を象徴しているのかもしれない。
我が国はどうか。新聞記事によれば海上保安庁は離職者の増加により要員が減少しているという。海上自衛隊員の募集も変わらずに厳しい。日米両国の海に向かう姿勢が問われている。
(2025年5月15日付『朝雲』より)







