朝雲寸言(2025年2月27日付)
- 2025年2月27日
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更新日:6月8日

超絶な能力を付与された主人公が異世界で魔王や世界征服を企(たくら)む悪の帝国を倒すというアニメやゲームが人気であるらしい。
一部を除き多くのゲームは戦いや暴力を前面に押し出している。ゲームのプレイヤーは目的のために戦うか、または戦いそのものが目的である。
ウクライナ戦争で有効性が注目され各国で急速に開発が進むUAVいわゆるドローン兵器の操縦に使われているのは某ゲーム機のコントローラーに酷似した機器である。兵士にとって子供のころから使い慣れている装置であり、戦場はまさにゲームの延長線上にあると言えるのかもしれない。
退役米軍人が著した『戦場の心理学』という本によれば敵と戦う距離や手段によって兵士の心理的ストレスは劇的に変化するという。すなわちナイフで戦う場合と画面越しにミサイルの発射ボタンを押す行為では兵士の心理的な負担は全く異なるというのだ。
将来の戦場ではAIを活用したドローンの映像越しに敵と戦う場面が増える一方で、対人戦闘はより過酷で致命的なものになるだろう。戦場や多くの死傷者が発生する災害救援に任じる兵士はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しやすいという。
魔王を倒した後日談を描く長命の魔法使いの物語が世界で人気であるという。そう魔王を倒したとしても物語は終わらない。開戦後3年を超えたウクライナ戦争が停戦に向けて動き始めた。
(2025年2月27日付『朝雲』より)







