朝雲寸言(2025年2月6日付)
- 2025年2月6日
- 読了時間: 2分
更新日:6月8日

「裏を取ったのか、裏を!!」――。新人のときにはよくデスクに、こうどやされたものだ。マスメディアにとって、情報の真実性は重要だ。誰もがSNSで情報を発信できるようになった今、情報の真実性は堅守しなければならない。
さまざま事象を多くの人々に伝える報道をなりわいにしている記者だからこそ“裏取り”は呼吸のごとく、当たり前の行為だ。だが、この当たり前が揺らいでいる。
SMAP元メンバーの中居正広氏の女性トラブルを発端に、フジテレビ関係者の関与についての文春砲の訂正。そして、共同通信が報じた生稲晃子参院議員の靖国神社参拝の誤報。いずれも本人、関係者に確認すれば防げたはずだ。
戦争においても情報戦は重要な戦略の一つ。特にロシアのウクライナへの軍事侵攻では、その動きは顕著で、サイバー空間で激しい戦いが繰り広げられている。侵攻が始まって以降、ロシア発とみられる偽情報がSNSに流布。ウクライナの世論を混乱させようとの狙いがある。こうした偽情報はウクライナ兵の士気にも影響する。
さらに戦場でも作戦の偽情報が流れれば前線は混乱し、致命傷となる。科学技術の発展で、AI(人工知能)で生成された偽画像・映像が氾濫する中で、人間の五感を通じてファクトチェックをしなければならない。そこは記者と変わらない。
情報の裏(確認)を取っても、戦場では裏(背後)を取られてはいけないのだ。
(2025年2月6日付『朝雲』より)







