朝雲寸言(2026年5月21日付)
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「子ども食堂」が増えている。子どもたちに無料または低額で食事や温かな居場所を用意する社会活動で、その拠点でもある。認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」によると、全国に1万2602カ所(2025年度)あるという。
10年代前半から急増。森沢明夫氏の小説『おいしくて泣くとき』が原作の映画なども作られ、認知度を高めている。年間の延べ利用者数は約2533万人。近年、お年寄りらも多く、孤食回避などの役割も担う。地域社会のインフラと言っていい。
ただ、約8割が非営利の民間団体による運営。調理や子の見守りなどはボランティア頼みだから、運営人材の高齢化や固定費(家賃など)の捻出などが問題になる。レッテル貼りを恐れて困窮家庭の子どもの足が遠のく一方、余裕ある家庭の利用が目立つ現状もあり、支援到達度も課題だ。
「民」の限界には「公」が乗り出すべきなのだが、「こども家庭庁」などは何をしているのか。公平性から自治体などを通じての間接的支援にとどめるというが、明確な旗振りができないものか。
子ども食堂は、互助精神の賜物(たまもの)である。民間の善意によるたくましく麗しい姿である。今後は支援活動の拡大を願わずにはいられない。政治も行政も、「民」に甘えるのはやめた方がいい。
むしろ、運営者の自主性に配慮しながらの「手厚い支援」という国民へのアピールのしどころを逸すべきではないだろう。
(2026年5月21日付『朝雲』より)







