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朝雲寸言(2026年3月12日付)

3月12日
読了時間: 2分

更新日:5月21日


日本人の祖先がどこから来たのかは諸説あっていまだ解明されていない。しかし日本人の祖先となる集団のひとつが何万年もの長い年月を経てユーラシア大陸を東進して極東の島国にたどり着いたことはほぼ間違いない。


その地には気候温暖で四季があり、海と山に囲まれた島々からなる豊かな住処であった。しかし同時にその地は火山噴火、台風そして大きな地震が起こる自然災害の多いところでもあった。


太古の日本人たちは自然の恵みに感謝しつつ毎年のように訪れる自然の脅威に立ち向かった。集団が部族になり小国家となり、やがて古代の日本が形成されていった。


3月11日に起きた大震災の日から15年の月日が流れた。しかしあの日あの時のことは今も忘れることが出来ない。千年に一度という地震と津波によって街が壊され、人々の命が奪われ、そして家族の絆が分断された。


しかし多くの日本人は土地を捨てなかった。長い旅路の果てにたどり着いた日本列島は最後の到達点であり、祖先が開き守り抜いた土地であったからである。


日本人が共通して持つという集団としての規律、協調性、忍耐、自然に対する畏怖と崇拝は長い年月の間に起きた自然災害との戦いによって培われてきたのではないかと思う。


未曽有の災害に全国から駆けつけた自衛隊にも15年の月日が流れた。今こそ次の世代を担う若い自衛官たちに語り継ぐ時ではないだろうか。


(2026年3月12日付『朝雲』より)

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