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時の焦点<国内> 日本とNATO

  • 23 時間前
  • 読了時間: 3分

装備品での相互協力を


北大西洋条約機構(NATO)に加盟する32カ国のうち、30カ国の大使らが韓国と日本を相次いで訪れた。NATOの訪問団としては異例の規模だ。


欧州各国のイラン軍事作戦への関与が不足しているとして、トランプ米大統領がNATO脱退を示唆する中での訪問でもあった。欧州各国は米国頼みを脱するため、米国以外との協力を模索している。


軍事分野で高い開発・生産能力を持つNATOとの連携は、日本にとっても安全保障に限らず、経済成長の後押しにもなるだろう。


日本への訪問では、茂木敏充外相と面会した。茂木氏が「欧州・大西洋とインド太平洋の安保は不可分だ」として、同盟国や同志国との連携の重要性を強調した。NATO側も「日本との協力関係を一層発展させたい」と応じた。


訪問団は小泉進次郎防衛相、赤沢亮正経済産業相らとも面会したほか、装備品を製造している大手電機メーカーの神奈川県内の工場や、米軍横須賀基地を視察した。韓国でも防衛産業の現場を視察したという。


ロシアによるウクライナ侵略以降、NATOは日本や韓国、豪州など、インド太平洋の国々との協力を進めるようになった。


ロシアを事実上支援する中国や、ロシアに兵士を派遣する北朝鮮が脅威であるとの認識が、欧州を中心に広がっているためだろう。


2022年には、岸田文雄首相が日本の首相としては初めて、NATO首脳会合に出席した。昨年1月には、NATO専任となる大使を任命した。NATOとの連携は、日本にとっても中国や北朝鮮に対する有効な抑止力となる。


協力分野は昨年以降、防衛装備品の分野にも広がっている。武器や弾薬の規格に関する情報を共有する対話の枠組みが発足した。


日本は防衛産業を成長戦略の柱の一つに位置づけている。政府は4月下旬、「防衛装備移転三原則」と運用指針を改定し、殺傷・破壊能力のある武器を原則輸出できるようにした。


NATO加盟国は国内総生産(GDP)比5%に引き上げる予定で、国防予算の大幅な増額が見込まれる。武器の需要が高まる欧州市場への参入は、日本の防衛産業を成長させるきっかけとなるだろう。


輸出を進めるには、NATOの国々の間で共通化されている弾薬などの規格に対応する必要がある。装備品の互換性が高まれば、日本で有事が発生した場合でも、欧州からの輸入が可能になり、継戦能力の向上にもつながる。


現在、日英伊3カ国は、次期戦闘機の共同開発を進めている。この枠組みに最近、カナダが参加の意向を伝えてきたという。


共同開発に携わる国が増えれば、開発費の負担を抑えることができる。価値観を共有する国と協力することは、選択肢になるのではないか。


霜月荘六(政治評論家)


(2026年5月7日付『朝雲』より)

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