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時の焦点<国内> 日・ASEAN

7月29日
読了時間: 2分


対中抑止へ連携深めたい


東・南シナ海での中国の威圧的な行動が、アジアの安全を脅かしているのは明らかだ。高市内閣を「新型軍国主義」と批判しているのも的外れで、到底看過できない。日本は、米国やアジアの同志国などと連携を深め、中国に対処する必要がある。


東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議がマニラで開かれ、日本や米国、中国などの関係国も出席した。


一連の会議では、強引な海洋進出を続ける中国に対し、日米両国やフィリピンなどから懸念が示された。


中国は今回の会議直前にも、スプラトリー(南沙)諸島で比軍と衝突し、比側に負傷者が出た。ルビオ米国務長官が中国の王毅外相に冷静な対応を求めたのは当然だ。


南シナ海のほぼ全域に権益が及ぶなどとする中国の主張は、2016年にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が退けている。


日米比などの14カ国は今月、判決から10年となることを踏まえ、判決を支持する共同声明を発表した。だが、中国はこれまで通り、判決を「紙くず」と呼び、受け入れを拒否している。


南シナ海は重要な海上交通路(シーレーン)だ。偶発的な衝突が起きて自由な航行に障害が出れば、各国が甚大な影響を受けかねない。日米両国やASEAN各国は協力して中国に自制を促すことが重要だ。


もっとも、ASEAN各国は南シナ海問題などを巡って一枚岩とは言えない。フィリピンやベトナムは中国と領有権争いを抱え、フィリピンは日米と連携して中国に対抗しようとしている。一方、中国に経済的に依存するカンボジアやラオスは、中国を刺激することを避けている。


日本は23年、ASEANの国々に対し、防衛装備品などを無償提供する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を開始し、これまでに警備艇や沿岸監視レーダーなどを供与した。こうした支援を通じ、日本への信頼を高めていくことが大切だ。


東シナ海での中国の振る舞いも軽視できない。中国海警局は6月以降、沖縄県与那国島沖などの「管轄権」を、根拠も示さずに主張し始めた。日中中間線付近では、中国が一方的に新たなガス田を開発しようとしているとされる。日本は警戒を怠ってはならない。


マニラでは茂木敏充外相が王外相と短時間の立ち話を行った。台湾有事を巡る昨年11月の高市早苗首相の国会答弁以降、両外相が言葉を交わしたのは初めてだ。


王氏はASEAN外相との会議でも、日本を念頭に「軍国主義の復活を断固許さない」と発言した。強大な軍事力を持つ中国が他国を威圧していることこそ、軍国主義ではないのか。


夏川明雄(政治評論家)

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