朝雲寸言(2026年1月22日付)
- 1月22日
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更新日:5月13日

町の書店が減り続けている。1960年代をピークに漸減し、2000年代に入ってからの落ち込みが激しい。
一時期、2万店以上あったが、全国出版協会や出版科学研究所などの調べでは1万417店(2024年現在)。「書店ゼロ」の自治体数は全国1741市区町村の約27%超を占める(出版文化産業振興財団調べ)という。
そもそも圧倒的にもうからない。書籍の定価に対する利益率(粗利率)は出版社60~70%、取次約7~8%、書店約22%。家賃、人件費など運営経費を差し引いた営業利益率はわずか0~0,5%ともいわれる。
追い打ちをかけているのが、紙媒体離れの風潮だ。アマゾンで本や漫画を買い、スマートフォンで読む。読まないという活字離れも進む。
一方、苦境から新種が生まれている点も見逃せない。棚ごとに個人が店主となる「シェア型書店」、カフェを充実させ雑貨も販売する「ブックカフェ・複合型書店」、アートなどのジャンルを設ける「専門特化型・コンセプト書店」…。「蔦屋書店」や「大垣書店」などを思い浮かべてほしい。
新種の業としての成立を願うのはもちろんである。さらには書籍販売の空間で、素敵な本と電撃的に出会う「セレンディピティ」(思いも寄らぬ偶然から幸運な発見をする能力や現象)の体験も可能にするなら、実に頼もしい。
人生にインパクトを与え、知の広がりをもたらすには、リアルな空間が不可欠なのだ。
(2026年1月22日付『朝雲』より)







