松本隆に学ぶ日本語の技術 齋藤 孝 著
- 3月13日
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副題の「刺さるコトバ・沁みるフレーズ・響くリズムの秘密を探る」が示す通り、本書は松本隆氏の言葉の魅力を読み解く。昨年、作詞家デビュー55年を迎えた同氏の作品は2000を超える。
その中から、著者が選んだ楽曲をテーマごとに、空欄を埋めるクイズ形式で紹介している。松本氏の語彙は独自の世界をつくり、どこかファンタジーのような心地よさと、現実に根差した普遍性をあわせ持つ。
宮沢賢治をはじめとする文学作品に通じる豊かなボキャブラリーが、その世界観を支えている。膨大な作品数とヒット曲の数々は、松本氏が「時代をつくった」存在であることを物語る。
本書では、松田聖子の声を聴いたときに松本氏が抱いた直感や、「声・マーケット・曲」を軸にしたプロデュース力にも触れる。職業作詞家としての柔軟さが名曲を生み出す大きな力になっている。
私たちは日常の中で無意識に「松本ワード」「松本ワールド」を受け取っている。本書は歌詞を楽しみながら、その技術に触れられる工夫が随所にある。文学的な下地を知れば、さらに味わいが深まる1冊だ。
(白秋社刊、1650円)












