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〈聖戦〉という思想 近代日本の宿命 田中久文 著

3月12日
読了時間: 1分



戦争はなぜ起こるのか――。人類にとって永遠ともいえるテーマに鋭く迫った1冊だ。


先の二つの大戦を経て、私たちは平和の大切さや戦争の危うさを十分に学んだはずだ。しかし今、まさに世界各国で安全保障環境が厳しさを増し、係争が相次いでいる。


そこで本書では逆説的な視点として、戦争を肯定的に捉えようとした者の考え方に分け入り、近代日本の聖戦論を思想史的に振り返っていく。


黒船の到来によって開国を迫られた日本は、急速に近代化・西洋化を進め、帝国主義化を加速させ、西洋の列強諸国と肩を並べようとした。その中で、もはや戦争が宿命といえるものになると、戦争を「聖戦」だとする思想も存在するようになった。


そうした聖戦という考えは、現代の日本では受け入れられないものだ。しかし、戦争を自己目的とする聖戦論は存在していない。


むしろ永久的な平和を実現する手段とされた。そこで各時代の聖戦論をひもといていくことで、平和につながる知恵の端緒を探ろうという強い願いが、本書には込められている。


(作品社刊、2970円)

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