チャーチル伝 F・ケルソディ 著、大嶋 厚 訳、君塚直隆 解説
- 3月5日
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「その異常なまでの記憶力や弁舌能力、そして何よりも次々と湧き出てくるアイディアと不屈の精神とが、ナチス・ドイツの脅威からイギリスはもとより、ヨーロッパ、さらには世界全体を救う要因になったことを、フランス的なユーモアも交えながら描いている」――。
本書を読む醍(だい)醐(ご)味(み)は、解説の君塚直隆・関東学院大学名誉教授のこの一文に尽きる。
著者のフランソワ・ケルソディはフランス人歴史家の中でも世界的な権威の一人だ。その彼がおそらくは英国で最も優れた指導者だとされるウィンストン・チャーチルを題材にした本書は多大な情報量によって、公平な視点で描かれている。
およそ700ページにも及ぶ大著は数あるチャーチル伝のなかでも群を抜く。これだけのページ数があるのは、それだけ著者が膨大な資料と多数の関係者に当たったからだ。
そのとてつもなく長い道のりを、著者はチャーチル自身の波乱の人生そのままに「長く、波乱に満ち、ときとして滑稽で、しばしば過度な疲労をもたらし、常に著しく危険な旅だった」と評し、こう付け加える。
「読者には退屈する暇はない」と。
(作品社刊、5940円)












