世界を解き明かす 地政学 田中孝幸 著
- 1 日前
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戦争が外交の手段ならば、国益にならない戦闘はしないはずだ。ところが、経済合理性に欠けた戦争は起きる。そもそも損益分岐点できっぱりと終戦できたためしがない。
政治家や軍人がコストパフォーマンスをはじいて開戦を決めているかのように見えても、意思決定というものはそんな単純ではない。
家族も会社もサークルも政治も打算と愛憎を小出しにしながらねちっこい交渉を重ねて合意がなされる。
相手の立場をおもんぱかること。文字通り「立地」から考えるのが地政学だ。
中国・ロシア艦がなぜ日本近海をうろつくのか。モンゴルはなぜ両国の板挟みに耐えられるのか。朝鮮やクリミアなどの半島が持つ宿命。広大な平地・欧州を守るために欧州連合(EU)が取る大立ち回り――。
そもそも、国際連合の正式名称は「United Nations(連合国)」。追求するのは連合国の利益であって、世界平和ではない。
いわば無政府状態にある国際社会はさまざまなパワーバランスで動いている。地政学はその機微を読み解く大前提だ。
(日経BP刊、1980円)












