この国は災害から 国民を守れるのか 濱口和久 著
7月29日
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更新日:7月30日
地震、豪雨、噴火と災害が激甚化する日本で、国や自治体は国民を守り切れるのか――。本書は18世紀のリスボン地震が国家の命運を変えた歴史を踏まえ、首都直下地震や南海トラフ巨大地震といった「国難」級災害の切迫性を正面から直視する。
防災・危機管理の専門家である著者は、能登半島地震などの事例を検証し、初動の遅れや自衛隊への過度な依存といった構造的課題を具体的に指摘。
縦割りを超えて対応を一元化する「防災庁」の創設を提起する。一方で、単なる組織新設にとどまらず、防災を国家の存立に直結する「総合安全保障」や、国を強くする「危機管理投資」へと捉え直すパラダイムシフトの重要性を説く。
また、濱口梧陵の「稲むらの火」の精神に学び、学校や地域が連携した人材育成の必要性を強調する。
東日本大震災で陸上自衛隊を率いた元陸幕長の対応にも触れ、極限状況のリーダーに求められる覚悟と判断力を描く。
「想定外」を言い訳にせず、今そこにある危機に備えるための必読の一冊だ。
(並木書房刊、1650円)













