税の日本史 諸富 徹 著
- 2月25日
- 読了時間: 1分

「税」という一見地味だが、社会の根幹を支えてきた制度を軸に、日本史を読み直す一冊。古代の租庸調から始まり、中世の荘園制や近世の年貢、近代国家の租税制度、そして現代の消費税や所得税に至るまで、税の変遷を通じて国家と社会、そして人々の暮らしの関係を描き出す。
著者は、税を単なる財源確保の手段としてではなく、「誰が、何のために、どのように負担するのか」という政治的・社会的選択の結果として捉えている。また、為政者と民衆のせめぎ合い、戦争や社会不安が税制に与えた影響、逆に税のあり方が社会構造をどう変えてきたのかを具体的な史料やエピソードを交えて解説している。
近代以降の章では、中央集権国家の成立と税制改革、福祉国家化の過程で拡大した財政と国民負担の関係にも踏み込み、現代日本が抱える「税と社会保障」の問題へと視線をつなげていく。歴史書でありながら、現在の税制論議を考えるための視座を与えてくれる点も魅力だ。
税の歴史をたどることで、日本社会がどのように形作られてきたのかを理解できるだろう。
(祥伝社刊、1100円)












