<春夏秋冬> G2に映る 日韓の戦略差 平岩俊司
- 3 日前
- 読了時間: 2分

世界中が注目したトランプ大統領の訪中は米中関係の大きさをあらためて印象づけた。年内中にあと3回首脳会談をおこなうという。まさにG2だ。経済学者、C・フレッド・バーグステンが2006年頃に提唱したとされるこの概念は、オバマ政権では国際関係における米中の突出した役割をイメージする用語として使われるようになった。
日本でも米中二極のイメージで使われたが、日本の頭越しに米中関係が推移することへの警戒感から否定的に捉えられた。当時、中国自身もG2とのイメージで過大評価されることに慎重だったこともあり、メディアなどで見かけることが徐々に少なくなっていった。仮に使われたとしても、「アメリカはG2を目指していない」などの否定的な表現として使われることが多かった。
ところが、このG2をどちらかというと肯定的に使い続けた国がある。お隣の韓国だ。分断国家の韓国にとって、自身の安全保障とアメリカは切っても切れないし、北朝鮮への影響力を考えれば中国は無視できない。さらに経済についてもアメリカの重要性はもちろん、台頭する中国の勢いを自国の経済発展に取り込みたいとの思いもあった。
だから米中は別格扱いされた。ある日韓の会議で韓国側がさかんにG2を使うので、日本人の中国専門家が「中国も使わないG2をなぜ韓国ではあたりまえに使うのか?」と怪訝(けげん)そうに言うので「朝鮮半島に限定したG2で我々のG2とは違うんです」と説明したが納得がいかないようだった。その後、THAAD(サード)ミサイル導入を機に中韓関係が悪化するとG2は使われなくなるが、韓国人の世界観にG2が生き続けたことは間違いない。
第2期トランプ政権がスタートして以降、トランプ大統領自身がG2という文言を使い、日本でもメディアで使われる頻度が高くなった。中国も今回の米中首脳会談で繰り返し「大国」という言葉を使い、G2を印象づけた。日米関係を軸に自らの立ち位置を確保してきた日本はG2を警戒するが、常に大国のはざまで生き抜いてきた韓国は大国間の協力や葛藤を利用しようとするしたたかさがある。
やけどすることのほうが多いが、韓国人には日本人よりもリスクをいとわないところがある。やけどは避けなければならないが韓国のしたたかさは学ぶべきかも知れない。
(南山大学総合政策学部教授)







