神国日本 小泉八雲著、田部隆次・戸田明三共訳
- 5月13日
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更新日:5月15日
明治の文豪である小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の遺稿を復元し、日本人の精神性を独自の視点で描き出した。八雲の最晩年の著作とされる本書は、これまで“不敬”として削除された部分を追加したことで、当時の思想的背景や日本観をより立体的に浮かび上がらせた。
日本人の死生観、神道・仏教観、キリスト教観、そして天皇制は、外来の知識人である八雲が驚きをもって観察した日本文化の核心である。西洋的合理主義では捉えきれない「日本人の国民性」を、敬意と情熱をもって言語化しようとした。
特に天皇制を巡っては、当時の国際情勢や西洋の視線を踏まえ、日本社会の精神的支柱を読み解こうとする姿勢が印象的だ。
また、巻末には、昭和天皇の逸話として知られる「マッカーサーとフェラーズの会話」を引用し、八雲の日本論が戦後の歴史認識にも影響を与えた可能性を示唆する。日本人が忘れかけている精神文化を、外部の視点から再発見させてくれる点も本書の魅力だ。
日本文化の源流を知りたい読者、八雲作品の愛好者、あるいは日本の精神史に関心を持つ人にとって必読の本とも言えるだろう。
(毎日ワンズ刊、1650円)













