昔話の民俗学入門 島村恭則 著
- 4月8日
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日本人なら誰もが親しんできた昔話。その背後には、長い歴史の中で育まれた“日本文化の古層”が静かに息づいている。
本書は、民俗学者の島村恭則氏が昔話や童謡、民話といった身近な伝承に潜む意味を丁寧に読み解き、民間伝承の世界へと読者をいざなう。
桃太郎はなぜ山から下ってきたのか、金太郎の正体は精霊なのか、「因習村」は実在するのか――日常の中で何気なく触れてきた物語の奥に潜む“謎”が、次々と浮かび上がる。
図解イラストを交え、一項目ごとに見開きで完結する構成は、読みやすさと理解のしやすさを両立している。読み進めるほどに、民俗学の基礎知識だけでなく、伝承を読み解くセンスが自然と身についていくであろうと著者は言う。
昔話の奥深い世界をひもとき、伝承が生まれ、語り継がれてきた仕組みを把握し、さらに現代の都市伝説へと視野を広げていく全4章から成る構成。民間伝承の面白さを自ら発見したくなる最良の入門書だ。
(創元社刊、1980円)












